正月三が日「最も攻めている」テレビ局はどこか 番組表に透けて見える民放各局の戦略と社風
1日「THEカラオケ・バトル」(17時55分~)、「ものまね芸人がガチで選んだ!いま本当にスゴイものまね芸人ランキング2023」(22時~)
2日「出川哲朗の充電させてもらえませんか?新春4時間SP」(17時55分~)、「街角ホワイトボード先生」(22時~)
3日「家、ついて行ってイイですか?お正月4時間スペシャル」(17時55分~)、「秘境のガソリンスタンドに3日間密着してみたら?」(22時~)
こちらは「土日のレギュラー番組を特番化しよう」というシンプルな戦略。無理して他局と張り合おうとせず、「既存の番組ファンに見てもらおう」という身の丈を考えるような姿勢がうかがえます。
しかし22時台は、番組名を見ただけで「クスッ」と笑ってしまうようなテレビ東京らしい3特番がそろいました。「他局がスケール感をどのように醸し出すか」を考える中、ニッチな面白さを追求するスタンスは正月三が日もブレていません。
社長交代で「笑い」に特化したフジ
1日「ドリフに大挑戦スペシャル」(17時~)、「有吉の冬休み2023 密着77時間in沖縄」(21時~)
2日「お笑いオムニバスGP」(18時~)、「千原ジュニアの座王 新春SP」(22時~)
3日「VS魂 グラデーション 2023超豪華新春3時間SP」(18時~)、「映画『コンフィデンスマンJP 英雄編」(21時~)
三が日の視聴率争いで厳しい戦いが続くフジテレビの元日は、「ドリフに大挑戦」という変化球で勝負。家族が最も集まる日にどれだけ見てもらえるのか、最も未知数な特番と言っていいでしょう。
その他もレギュラー番組は「VS魂」のみであり、「お笑い要素の濃い特番で勝負しよう」という明確な戦略がうかがえます。「お笑いオムニバスGP」は前回の放送で「オモウソい店」が好評だっただけに、正月にどれだけ受け入れられるのか。視聴率の不安こそ少なくないものの、コメディ映画の「コンフィデンスマンJP」のセレクトも含め、笑いに特化した戦略で差別化できれば、今後の浮上につながるかもしれません。
正月三が日の番組表をテレビ局別で見ていくと、戦略や社風のようなものが浮かび上がってきました。
日本テレビは、「シビアな視聴率狙いで、人気番組に振り切る」という現実的かつ保守的。テレビ朝日は、オリジナリティこそ高いものの、出演者も視聴者も年齢層は高め。TBSは、強みのドラマを生かせず、バラエティは「攻めか守りか」の迷いが見られる。テレビ東京は、正月三が日もほとんど変わらずマイペース。フジテレビは、社長交代もあって「笑いで勝負」という方針は明確だが、強力コンテンツがないため模索中。
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