「年末年始の発熱」で慌てる人の“3つの間違い" 「抗原検査で陰性」ほど信用できないものはない

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オミクロン株の出現以降、軽症化したことで受診しない人はますます増えた。「陽性」と認定されたら出勤できなくなるだけだからだ。肌感覚で言えば、公的発表より感染者数はずっと多い。

このところずっと繰り返されている「先週も日本は新型コロナ新規感染者数が世界最多でした」報道も、ナンセンスだ。

世界の多くの国では、過去に日本とは桁違いの感染者数を記録し、人々がすでにワクチンより強力な免疫を得ている。今になって新規感染者数が落ち着いているのは当たり前だ。

何より、各国とも続々と無料検査をやめてしまった。感染者数はもはやまともにわからないが、それでいいと考えている。世界基準で言う「withコロナ」とはそういうことなのだ。

「鼻うがい」の合理性

とはいえ私も報道側が悪いとは思っていない。日本ではまだ感染症法上の2類だから、数字の発表・報道がルーチンになっているにすぎない。

今後は、息を潜めていたさまざまな感染症が、再び勢力を盛り返してくる。それでも私たちは当たり前のことをしながら、当たり前の日常を送っていけばいい。ワクチン接種をきっちり受け、人と近距離で会話する場合にはマスクを着け、手洗いを心がけ、室内なら換気を徹底する。

その中で風邪のような症状が出たら、今だったら「コロナかインフルだろう」と思って、3つの間違いを避けて冷静に行動する。たとえそれがRSウイルスでも他の感染症でも、おかしなことにはならないはずだ。

ひとつオススメしたいのは、生理食塩水での「鼻うがい」だ。重症化リスクを8分の1に減らせるという、アメリカからの報告がある。

55歳以上の新型コロナ患者に、発症から間もなく1日2回2週間、生理食塩水による鼻での鼻うがいを続けてもらった。すると、同時期のCDC(アメリカ疾病対策センター)登録患者約300万人では10.6%が入院や死亡に至ったのに対し、鼻うがい実施者は入院1名のみ(1.27%)で死者はなかったという。

数字を比べてみれば、微々たる効果の抗ウイルス薬にすがるより、よっぽど地道で確実な方法と考えるべきだろう。

久住 英二 内科医・血液専門医

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くすみ えいじ / Eiji Kusumi

1999年新潟大学医学部卒業。内科医、とくに血液内科と旅行医学が専門。虎の門病院で初期研修ののち、白血病など血液のがんを治療する専門医を取得。血液の病気をはじめ、感染症やワクチン、海外での病気にも詳しい。

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