「年末年始の発熱」で慌てる人の“3つの間違い" 「抗原検査で陰性」ほど信用できないものはない

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ところが、症状が軽ければ何度やっても信用ならない、というのが実情だ。

知り合いは微熱と喉の痛みで、発症から2日目と4日目に抗原検査を受け、いずれも陰性だった。だが3日後、同時に受けておいたPCR検査の結果は、陽性だった。すでに発症から1週間たち、市販の解熱鎮痛剤でしのぎつつ外出もしていたという。

これでは当然、家庭内感染や職場内感染は防ぎようがない。高齢であれば、様子を見ているうちに重症化する可能性もある。

インフルも「早すぎる検査」で偽陰性に

さらに、新型コロナが本当に陰性でも、インフルエンザを同時に疑ってかかるべきだ。

実際つい先日も、「39℃の発熱で、喉がすごく痛い」という患者さんを調べたら、コロナ陰性で、思ったとおりインフルA型だった。また別の日に当院で抗原検査を1日に33件実施したところ、新型コロナ20件、インフルA型7件という結果だった。

インフルエンザがじわじわ増えているのは間違いない。そして長年患者さんを診てきた私でも、症状だけでは正直、新型コロナと見分けがつかない。特に今年流行し始めているインフルA香港型(H3N2)は、一般的に症状がつらく出る人が多い。

インフルエンザの簡易検査も、タイミングが早すぎると陽性が正しく出ない。国内の研究によれば、発症から半日未満では平均40%以下(17.3~64.3%)だが、丸2日以上待てば平均で約70%(47.1~86.8%)検出できる。

新型コロナ抗原検査とインフル簡易検査どちらも(同時検査キットでも)、最短2日目まで待って実施し、もし陰性ならさらに2日後にもう一度やろう。その間、風邪のような症状があるなら何であれ静養し、感染を広げないよう最大限配慮したい。

間違い2:抗ウイルス薬を求め、医療機関をはしごする

新型コロナでは(インフルエンザもそうなのだが)、今ある抗ウイルス薬を基礎疾患のない若い人に使うメリットはない。

2022年1月14日に特例承認されたファイザーの飲み薬「パキロビッドパック」は、重症化の恐れのある12歳以上の患者が発症から5日以内に服用する。同社によれば、入院または死亡のリスクを88〜89%低下させるという。さらに最近の研究で、後遺症も減らせるとの結果が出た。

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