「年末年始の発熱」で慌てる人の“3つの間違い" 「抗原検査で陰性」ほど信用できないものはない

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それ以外(主に13〜64歳で症状が軽く、重症化リスクの低い人)なら、まずは自宅で抗原検査をし、結果次第でオンライン受診を。症状が軽かったらいずれにしても市販薬で様子を見てもらえばいいだろう。これらの判断の目安と対処は、年末年始に限らない。

「でも、いつまで様子を見ればいいの?」と思われるかもしれない。もちろん、4〜5日で徐々に回復に向かい、1週間程度で症状がすっかりなくなってくれればいいのだが、そうはいかないこともある。

一番のポイントは「発熱」

一番のポイントは、やはり「発熱」が続いているかどうかだ。

発症から5〜6日経っても38℃を超える発熱がおさまらなかったら、家でじっと耐えている場合じゃない。迷わず受診しよう。細菌性肺炎を起こしているかもしれない。

ウイルス感染症が4〜5日を超えて長引くと、細菌感染症を合併しがちだ。細菌に対しては抗生物質の適切な使用がてきめんで、放っておくと悪化することのほうが多い。

だから38℃が続くなら、未受診の場合に限らず一度受診して自宅で療養していた場合でも、またコロナであれインフルであれ何であれ、再受診を。

対照的なのが、「長引く咳」だ。

「熱が下がって1週間経っても咳が出るのですが」と受診される方がいるが、どうしようもないことも多い。ウイルスや他の症状が消えても咳だけ続くのは、想定の範囲内だ。

咳は、原因がコロナであれインフルであれ、風邪であれその他であれ、一度起きると、それ自体が刺激となって何日もおさまらなくなることがある。イギリスの国民保健サービスは、咳が続くことによる受診のメドを「3週間」としている。

息苦しいといったこともなく、咳がちょっとずつでも軽くなっているなら、鼻うがいをしながら落ち着くのをあと2週間ほど待ってみてほしい。軽い咳だけで年末年始に無理して受診していただくことはない。

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