所有してわかる「サクラ/eKクロスEV」受賞の意味 黄色ナンバーを誇れる軽EVが誕生した背景とは

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リアビュー
サクラのリアビュー(写真:日産自動車)

これにEVであることによる静粛性や乗り心地の上質さが加わり、サクラとeKクロスEVは、軽自動車と思えない乗り味となっている。車載バッテリー容量と、一充電走行距離180kmの点から、日常的な近距離利用に適した軽EVと思われがちだが、じつは、EVになると軽自動車であってもi-MiEVのときから、高速での長距離移動が楽なクルマになる。

移動途中での経路充電においても、30分で満充電に近い充電が可能になるので、長距離移動もそれほど苦にはならないだろう。ちなみに、かつてi-MiEVで都内から長野県の白馬まで遠出をしたことがある。そのときは、途中で4回の急速充電が必要だったが、サクラやeKクロスEVでは、2回で済む。300km近い距離の移動で、2度、30分ほど休憩をはさむことは、それほど非現実的だとは思わないし、かえって丁度よい気分転換になるだろう。適度な休憩は、安全運転にも資する。

サクラを購入してわかった本質的な価値

内装
サクラの内装(写真:日産自動車)
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私は、サクラを購入し、1500kmほど走行を重ねた。エコモードを選び、DではなくBレンジで、ワンペダル的操作を行うと、カタログ数値以上の電費で走ることができる。冬になっても、シートヒーターとハンドルヒーターを有効活用することで、スタッドレスタイヤへ履き替えてなお、カタログ数値に近い電費で走れている。

乗り味の快適性を含め、非常に高い満足を得られる軽EVであり、まさしく黄色のナンバープレートを誇りに思える日々を送っている。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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