「ジャイアン上司」に振り回されない究極の手段 成功率9割のすごい方法「承認サンドイッチ」

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よかれと思ってしゃべっているエライ方は、自分の言葉が皆に伝わっているか不安に思いながら話しています。「わかってほしい」という思いが強いのに、周りの反応がイマイチなので、余計に熱が入り、話も長くなるのです。

「上司の独演会」にストップをかける必殺技

会議でエライ人の熱弁にストップをかける必殺技を伝授しましょう。
その必殺技の名は、「承認サンドイッチ」!

この「承認サンドイッチ」では、まず、その思いに応えて、承認してあげることから入ります。具体的には次のような感じです。

「〇〇部長、ご発言をありがとうございます! たしかにおっしゃるとおりです。本質をついたお話で、たいへん共感いたしました」

こう言って、まず、「あなたの話は十分伝わりました」ということを伝えます。たとえ、話の内容に共感できなくても、否定はせず、「内容は理解しました」という事実を伝えればいいのです。そのうえで、こう続けます。

「しかし、会議時間の残り15分で2つのことを決めなければなりませんので、次のアジェンダに移らせていただきたいと思います」

そして、こう締めくくるのです。

「○○部長、ご協力ありがとうございました」

つまり、「承認+リクエスト+承認」という順番ですね。「議事を次に進めたい」というリクエストを、「承認」でサンドして伝えるのです。

できれば、ファシリテーターなどの、会議の進行役にこうした役割をやってもらうのがベスト。事前にファシリテーターに話を通しておくか、もしもそれが難しい場合は、同僚と協力して、あなたが発言したあとに同意してもらうようにして、場の雰囲気をうまくリードするとよいでしょう。こうすれば、話を途中でさえぎられた上司も、「伝わったのならいいか」と、おとなしく引きさがってくれます。

「そんなにうまくいくの?」と思われましたか?

大丈夫、1万2000人にこの手法を用いてもらったところ、再現率89%で上司の独演会を抑えられたという結果が出ていますから、効果は証明済みです。

最大のポイントは、上司がよかれと思ってしゃべっていることをしっかりと「承認してあげる」こと。プライドを傷つけず、顔を立てたうえで、「会議を進めたいので、ご協力ください」という気持ちを伝えることです。

ファシリテーターに、この手法を伝授し、上司の独演会を止めることができれば、会議時間が短くなるだけでなく、たとえばオンライン会議では、発言者の数が1.2倍から1.3倍に増えるという結果も出ています。

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