欧州議会「カタールから金品」汚職で大激震の背景 副議長が逮捕される大スキャンダルが発覚

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汚職疑惑で逮捕されたエバ・カイリ氏(写真:欧州議会)

欧州議会副議長を務めていたギリシャ選出のエバ・カイリ氏が、カタールから便宜供与目的で多額の金銭を受け取った容疑で起訴されたことを受け、欧州議会は15日、司法捜査が終了するまでカタールの利害関係者の議会への出入りを禁じる措置で合意した。

「カタール・ゲート」と呼ばれる汚職事件について欧州連合(EU)の欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「最大限懸念すべき話」とコメントし、折しもサッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)の最中ということもあり、EUを揺るがす大スキャンダルとして注目を集めている。

当初、ベルギー司法当局はカイリ氏を含め、6人を逮捕した。当局関係者の話では、カイリ氏のブリュッセルの自宅からは札束の詰まったバッグがいくつも発見され、それを父親が運び出そうとしていたところを現行犯で逮捕されたとしている。

カタールはW杯誘致前から国際サッカー連盟(FIFA)関係者やヨーロッパの政治家や役人などに大金を渡していた疑惑が持たれていたが、今回の疑惑に対しては完全否定している。現在、同件で4人が汚職とマネーロンダリングの罪で起訴され、身柄を拘束中だ。

自宅などから多額の現金を押収

ベルギー当局の発表では3カ所で数十万ユーロを押収し、「カイリ容疑者の自宅で60万ユーロ(約8700万円)、ブリュッセルのホテルの部屋のスーツケースからも数十万ユーロ、欧州議会議員のアパートで約15万ユーロ(約2200万円)」が押収されたという。欧州議会のロベルタ・メツォラ議長は、ベルギー憲法で定められた義務に従い、ベルギーの裁判官と警察とともに12月9日の容疑者の家宅捜索に同行したことを明らかにした。

ベルギー連邦検察庁は「捜査に必要なデータの消失を防ぐ」ために、9日以降、10人の国会議員のITリソースを凍結したと付け加えた。イタリアでも警察による捜索が行われており、警察当局は事前に捜査対象を特定したと見られ、内部告発によって一定期間、内部調査が進められていたとされている。

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