元宝塚トップ「望海風斗」下積み時代の葛藤と転機 全員エリートの中でたどり着いたトップへの道
公演休止や日程変更などを乗り越え、望海さんは予定より半年遅れの2021年4月に宝塚を卒業。退団後は舞台を中心に活躍の幅を広げ、2023年2月にはブロードウェイ・ミュージカル『DREAMGIRLS』日本版の主演を控える。
「私は男役が好きで宝塚に入ったので、辞めてしまったら喪失感に襲われるんじゃないかとずっと不安でした。でも、いざ新しい世界に飛び込んでみると、自分はやっぱり舞台が好きなんだな、とあらためて感じる。変わらず応援してくれるファンの方たちがいて、ああ、自分も変わらなくていいんだ、と。変わったことより変わらない部分が一番新鮮な発見だったかもしれません」
「あれ?私、思っていたよりデカかった!」
「男役」から「女優」へ。戸惑いの一方で、楽しさも見いだしている。
「自分ではこうしたいと思っていてもそれに到達できない悔しさがあったりします。実際に自分が演じている映像を見たら全然イメージと違ったり、あれ? 私、思っていたよりデカかった! とかも(笑)。
男役だって18年くらいかかったので、時間がかかるんでしょうね。ただ、男性がリードしてくださったりいろいろとサポートしてくださるのはありがたい。男役の時はつねにリードすることを意識していたので、その大変さを知っている分、ごめんなさい、って思う部分もいっぱいありますけどね」
宝塚入団、トップスター、と次々に叶えた夢のその先は?
「これができたらもう辞めてもいいや、と思えるくらい没頭できる作品にいつの日か出会いたいです。宝塚時代の『ドン・ジュアン』のような。それまではとにかく、走り続けていきたいなと思っています」
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