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政治・経済・投資 #野田佳彦元首相インタビュー

野田元首相が語る「追悼演説」に秘めた政治の本質 真剣な議論のなかで、折り合うところを求める

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  • 井手 英策 慶應義塾大学経済学部教授
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野田:最初は「歴史の法廷の被告」と書いていたんです。影のところは「黒い影」と。でも「被告」と「黒い」を入れると響きがきつすぎる。

井手:そうやって中庸を探られていることを証明した弔辞だったんですよね。それが、あの一言に凝縮されていると思うんです。

野田:ええ。あそこなんです。そこの表現の濃さをどうするか。強烈に光ればおのずと影はできるという受け止め方をしてもらわなきゃいけないなと思って。それは僕にだって光彩がありますから、短い政権でもね。歴史の法定に立つのは私もそうなんですけど。被告という言葉とか、黒いまで入れちゃうと、ちょっときつすぎるかなと。響きとしてね。

井手:強すぎると、中庸からそれますよね。

野田:ええ。だから「勝ちっぱなしはないでしょ、安倍さん」と言っているんです。最初、「勝ち逃げはないでしょ」だった。でも逃げてはいないよなと。あの最後はね。一字一句気を使いました。

追悼演説後の講演がプレッシャーに

井手:皆、たぶん保守と革新という古い線引きにもう飽き飽きしているんですよね。弔辞に示されたバランス感覚、山のてっぺんと山のてっぺんをロープで結んで、その上を歩いていくような緊張感と言いますかね。そんな、骨のある、ピンと張り詰めた政治論争を国民は求めているような気がしました。

野田:第一声を始める前に、全議員が固唾をのんで耳を傾けているのが見えたんです。何を言うかと。だから緊張しましたね。終わったときには、満場の拍手だったので、役割は果たしたかなと思いましたけれども。

そのあともいろいろなところで講演をしたり、スピーチをしたりすることもあるじゃないですか。皆、固唾をのんで耳を傾けるんです。それは困ったなと(苦笑)。もうちょっと自然体で聞いてもらわないと、ってありますよね。これが今、プレッシャーになっています。

(構成:勝木友紀子)

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