「テレビゲーム」は子どもがやるものと思われがちですが、書籍や映画ともまた違う独自のシリアスな、あるいはユニークな作品が多数あります。その魅力は奥深く、大人の趣味として楽しめるほどに成熟しているといっても過言ではありません。
そこで、この連載では、ゲームの評論やコラムを10年以上書き続けているゲームライター、いわばゲームを遊ぶプロである渡邉卓也氏が、ゲーマーからは人気でも一般的にはあまり知られていないであろう著名な作品や傑作を紹介します。
第23回は、登山の苦しみと喜びを味わえるゲーム『Celeste(セレステ)』を取り上げます。
難易度は高いが、あきらめない仕組みを用意
ゲームに挑戦するという行為は、登山に似ているところがあるかもしれません。ともすれば難関に挑まねばなりませんが、しかし登りきったときの快感が人を山に誘うわけです。
今回紹介する『セレステ』はまさしくそのようなゲームで、主人公である「マデリン」はセレステ山の頂上を目指して冒険を繰り広げていきます。山を登るわけでその道は楽ではありませんし、そのうえこの場所では不思議な出来事がたくさん起こるのです。
本作のジャンルはアクションゲームで、かつ難易度が高いのが特徴です。プレイヤーは足場がないところに落ちて何度もやられたり、なぜかたくさん配置されているトゲにやられてしまったり、とにかく何度も何度も失敗することでしょう。
しかし、『セレステ』はプレイヤーがあきらめないような仕組みを用意しています。エリアごとに細かくチェックポイントが用意されているので、「やられてだいぶ前に戻される」なんてことはありませんし、登山するマデリンと難関に挑むプレイヤーがシンクロするようなストーリーも用意されているのです。
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