「やさしい経営」するタクシー会社が生き残れた訳 地方に福祉タクシーがあまりない時代の先見の明
仙台駅から車で20分ほど走ったロードサイドの一角に、フタバタクシーの本社事務所と配車センターがあります。事務所前の縦長の駐車場には何台かの車が並んでいますが、その様子は他のタクシー業者とは大きく異なっています。
所有する51台の車両のうち23台は普通のタクシーですが、25台は福祉・介護用のタクシー、そして3台はマイクロバスです。車両台数が50台規模のタクシー会社で、保有する車両のおよそ半数が福祉・介護用の車両という企業は、見たことも聞いたこともありません。
福祉・介護タクシーが多いということもあり、46人いるドライバーの、なんと90%以上が「介護職員初任者研修修了者(旧ホームヘルパー2級以上)」です。そのためほとんどのドライバーは、乗客がもしものとき、基礎的対応ができるのです。
そんなフタバタクシーを取り巻く現実は、決して甘いものではありません。
「利用者減」「法人数減」タクシー業界の現実
人口減少やマイカーの増加、地域のコミュニティーバスの運行といった要因で、大半のタクシー会社が苦境に陥っているのが現実です。
この2年間、コロナ禍で顧客が激減していることもありますが、実はこの問題はここ2、3年前からのことではありません。
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