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「やさしい経営」するタクシー会社が生き残れた訳 地方に福祉タクシーがあまりない時代の先見の明

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  • 坂本 光司 経営学者、人を大切にする経営学会会長
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しかしそれは杞憂でした。すぐにSさんが挙手をし、「社長、私がやります、私にその仕事をやらせてください」と申し出てくれたのです。その発言につられるように、「私もやります」と、何人かが手を挙げてくれました。

このようなことが起きるのも、フタバタクシーの社員たちが、及川さんが進めている、弱い立場の人を大切にする経営の考え方・進め方に共感し、信頼しているからです。

その証明として、フタバタクシーの社員離職率は、すでに5年以上実質ゼロといいます。フタバタクシーのドライバーをはじめとしたスタッフの社員満足度や働きがいが、いかに高いかがわかります。

弱い立場の人を助けることが市場の創造につながる

厳しい業界で成長していくためには、正しい経営を愚直に推進する強いリーダーシップをもった経営者と、それを実行する良い社員の確保・育成が必要不可欠です。

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フタバタクシーは、「市場は与えられるものではなく、自らの力で創造すべきもの」「松明は自分の手で」「奉仕を先に利を後に」「顧客づくりではなくファンづくり」といった、基本的な考え方のもと、将来を見据え、福祉・介護タクシー事業を手がけてきました。

その後、差別化した普通タクシー事業、さらには子育て支援タクシー事業・通学支援事業などをスタートさせて市場を創造してきました。

業界や個別企業が、業界優先・自利優先・護送船団といったスタンスで経営を行っている限り、これからますます厳しくなる時代を生き抜くことはできなくなっていくでしょう。

変わるべきなのは、外部環境や政策などではなく、自分自身の企業経営のあり方・考え方、従業員の仕事への取り組み姿勢なのです。

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