会話のペースを握る人が無意識にやっていること 相手にアクションが起こらなければ「伝えただけ」

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相手の立場に立って話を進めていくことが大事(写真:ふじよ/PIXTA)
世の中に「話し方」に関する本はあふれるほどありますが、それらを実践してもうまくいかない、という人も少なくありません。なぜならば、“自分が言いたいこと“と“相手が聞きたいこと”はまったく違うからです。本稿では桐生稔氏の著書『話し方の正解 誰とでもうまくいく人の55のルール』より一部を再編集のうえ、相手が聞きたい言葉を投げかけて、会話のペースを握る方法について解説します。

話すことに焦点をあてると失敗する

「話し方に関する本をいろいろ読んだ」

「たくさん講座も受けてみた」

「でもうまくいかない……」

そういう方もいます。その原因は明白です。世の中で語られている「話し方トレーニング」が、話すことに焦点をあてているからです。

「結論から話せる、論理的に話せる、流暢に話せる」

そんなことは、さほど重要ではありません。話し方で何よりも重要なことは、「相手の頭の中を想像する」ことなのです。

私は大学生の頃、カラオケの客引きのアルバイトをしていました。道行く人に「カラオケはいかがですか?」と声をかけ、お店まで連れて行くのです。

現在、客引きは禁止されていますが、20年前は街中にそういう人がゴロゴロいました。人見知りの私が、なぜ客引きのアルバイトをしたのかというと、「高時給のアルバイトがあるよ」と、先輩に騙されたからです。でも、先輩の紹介の手前、腹をくくってやるしかありません。

客引きメンバーは私も含めて30人くらいいました。その中には、言葉巧みに話す人もたくさんいました。しかし、客引きがうまい人は言葉巧みに話す人ではありませんでした。どんな人か。それは、相手が聞きたい言葉を投げかける人です。

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