会話のペースを握る人が無意識にやっていること 相手にアクションが起こらなければ「伝えただけ」

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ペースを握るというと、相手を操作するようなイメージがあるかもしれません。でも、どういった場においてもペースを握る人(ペーサー)は必要です。

合奏や合唱のペーサーは指揮者です。指揮者が全体のペースを把握して、良き方向に導きます。会社の会議もそうです。ペースを握る人がいなければ、全員で言いたいことを言って、何も決まらず終わります。

また、会社で何かプロジェクトを行うときも、ゴール設定や進捗管理など、誰かがペースを握ってマネジメントしなければうまくいきません。

雑談のような会話でもペーサーは必要

「雑談みたいな会話では、ペースを握るなんて必要ないのでは?」という声もありますが、実はあります。複数名で雑談しているときも、全体に気を配り、話題を提供したり、質問を投げかけたり、その場が最適な場になるように、リズムやテンポを整えているペーサーがいるものです。

2人きりで話しているときは、話をしている人よりも、話を聞いているほうがペースを握っています。「◯◯さんって、休みの日はアウトドア派?」と聞けば、その話になります。質問している側がペースを握っているのです。

このように、自然にペースを握るには、相手を軸に会話を構成する必要があります。簡単に言えば、相手が聞きたい言葉を透視して、発することです。実は、これはトレーニングによってできます。「if you」という思考法です。

「if you」とは、「もしあなたなら?」というトレーニングです。相手が聞きたい言葉を言いあてる前に、「自分ならどんな言葉が聞きたいか?」を思考する方法です。これが相手のことを考えるトレーニングになります。

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