20万円で買った古民家に住む男「冬の寒さ」の現実 自給自足「水を引き、薪をくべ、暗くなったら眠る」

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今日はその中程度の仕事をひとつしようと思っていた。家のすぐ横の樹に登って、屋根にかかっている枝を落とすのである。頭の中で作業の流れを確認していて、剪定用のノコの刃が甘くなっていたことを思い出した。最近のよく切れるノコギリはレーザーで刃を付けているため、人間が目立て(ノコギリの刃を研ぐこと)するのは難しい。それでも、釣りバリ用のダイヤモンドシャープナーで丁寧に研げば少し切れ味が戻る。替え刃を買ったら2,000円なので、30分目立てして切れ味が戻るなら、時給に換算して4,000円の得になる、というわけのわからない計算をする。

ノコを持ってきて、窓際の明るいところで目立てをする。このあと庭に出ると、西高東低の風が強く木が揺れているので、枝落としはやっぱり翌日以降に回すことにした。

庭を歩いていて、風呂の蓋のことを思い出し、面倒だが製作することにする。元々あった蓋が、重いうえに造作が悪くて隙間から温度が逃げるため、少し前に合板と銀マットで作りなおしたのだが、合板だけに接着面が剝がれてきてボロボロになっていた。

バッテリーを大事に使う

ヒモに、五右衛門風呂の半径の結び目を作って、それをコンパスにして板の上に円を描き、丸ノコで切る。丸ノコは直線を切る道具なので、曲線は苦手だが、薄い板ならなんとかなる。板の厚さ分しか刃を出さないのがコツである。曲線切りはモーターに負担がかかるので、フル充電のバッテリーに取り替え、使っていたバッテリーは充電器に差して充電する。充電は電気を食うので、晴れている日中にしかできない。

服部文祥さんが暮らす古民家「百之助」の配電図
百之助の配電図

風呂蓋を製作し、丸ノコを出したついでに薪作りもしようと思い、どうせ薪を作るなら、マキタのチェーンソーの不具合を調整しておくことにする。物置きから出してきて、プラグを抜こうとするがレンチがあわない。どうも15ミリという特殊なサイズのようだ。

チェーンソーはまた今度にして、森から薪を拾ってきて切る。そんなこんなをしているうちに日が傾き、植林の向こうに日が沈もうとしている。充電中のバッテリーのことを思い出し、あわてて見に行くと、メインバッテリーの電圧は12.0ボルトまで下がっていた。充電器のスイッチを切ったら12.6ボルトまで回復した。

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