鳥谷敬氏「体の使い方で一番重要なのはお尻」 体の筋肉の7割を占めるお尻を鍛えると変わる

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──ビジネスパーソンなども、日々さまざまな不満やストレスにさらされています。

現在の私も読者の皆さんに近い生活をしているので、気持ちはよくわかります。今日だってエレベーターの列に並んでいたら、知らないおじさんが列に割り込んで先に乗っちゃった(笑)。その瞬間は腹立つけど、“別バージョンの鳥谷敬”が「まぁ、この人なりの事情があるんだろう」と考えれば受け流せます。

仕事でも嫌なこと、受け入れたくないことも、“仕事バージョンの自分”としていったんは受け入れてみる。そうすれば「本当の自分は受け入れたくないけど、会社員としての自分が、会社のためにあえて受け入れている。これでいいんだ」と思える。両方の人格を行き来しながら上手く感情をコントロールできれば、余計な怒りに時間を奪われずに済みますよ。

──鳥谷さんが実践してきたトレーニング方法、食事管理などのメソッドに共通しているのは「自分を知る」ことの大切さだと思います。

そうですね。それはキャリア形成においても同じことが言えます。プロ野球の世界には、走攻守において私よりはるかに高い能力を持っている人がたくさんいました。その中で選ばれ、試合で使ってもらうためにも、自分の相対的な価値や強みを知ることはとても重要です。

「コンプレックス」は「人との違い」と捉える

──自分の価値や強みに気づかず、悩んでいる人は多いと思います。そこに気づくためのポイントはあるのでしょうか。

自分の経験から言えるのは、「コンプレックスがいちばんの強みになる」ということです。

私の場合、小学生で野球を始めてからずっと、「走る・守る・打つ」のいずれにおいてもチームメイトの誰かに負けていました。すべてが「2番手以下」で突出するスキルがなかった。このことは、野球選手としてコンプレックスに感じていました。

ところが、プロに入っていざ試合に出てみると、途中で代打、代走、守備固めを送られて交代させられることがない。「何でだろう?」と考えたら、「走る・守る・打つ」のすべてがそこそこ計算できるからだった。「突出したスキルがない」というコンプレックスは、「走攻守のすべてができる」という強みでもあると気づいたんです。

次ページ「走攻守のすべてができる」強みを発揮するために
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