"お茶くみ"残る地方都市「シングルマザー」の苦悩 元夫からの養育費は支払われず、生活は困窮

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ほかにも、母子家庭で多い高校の中退者を失くすための学習継続支援を行い、様々なイベントを開催して体験の機会を提供している。

また、母親もより良い条件での就業が可能となるよう、様々な取り組みを実施。就業相談、キャリアカウンセリング、無料就業支援講習会やセミナーを開催したり、無料職業紹介を行ったりしている。

できるだけ高い所得を得て、担税力(税金を納めることができる能力)を身につけることは、この先高齢化で税収が減ると予想される国や社会的にも必須とされているのだ。

子どもたちは“社会”で育てる

愛知県母子寡婦福祉連合会の支援対象は県内全域。県内に住むひとり親世帯すべてに門戸が開かれている。しかし、シングルマザーは仕事や家事・育児に忙しく、精神的にも肉体的にもゆとりが持てない状況にある。

また、スマートフォンでは支援や求人などの情報にうまくたどり着けない実態もある。そのため、検索方法をレクチャーしたり、スマートフォンから簡単にアクセスできるLINEで様々な情報を発信したりしている。

「安定した仕事に就いてお母さんが明るくなると、子どもも明るくなります。そのために私たちは、できるだけ支援につなげたいと考えていますが、ひとりひとり必要としている支援は違います。その人にとって最適な支援に行き着くまで、できる限り丁寧に寄り添い、対応しています」

シングルマザーを取り巻く状況は、急には変わらないが、少しずつ改善もされているという。すべては子どもたちの笑顔のため。「子どもたちを社会で育てる」という理念を掲げ、過去も現在も、そして未来も変わらず、山本さんたちの活動は続いていく。

陽菜ひよ子
フリーランスのライター&イラストレーター。2020年発売の自著『ナゴヤ愛 地元民も知らないスゴイ魅力』(秀和システム)や新聞社媒体などで執筆。地域活動や地域問題、地元の魅力などを中心に、取材・発信している。

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