"お茶くみ"残る地方都市「シングルマザー」の苦悩 元夫からの養育費は支払われず、生活は困窮

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シングルマザー
意外とジェンダーギャップも大きい愛知県。安定した職に就けないシングルマザーも多いといいます(写真:yuu/PIXTA)

製造業が盛んな愛知県(名古屋圏)は、経済が安定しており、不況に強いと言われる。また、結婚後も親元から離れない人が多い。そのため、シングルマザーにも実家の援助があるなど、恵まれた境遇にあるといわれる。

しかし、「そうとも言い切れません」と話すのは、社会福祉法人愛知県母子寡婦福祉連合会常務理事 兼 事務局長 兼 愛知母子・父子福祉センター長の山本廣枝(ひろえ)さん。

「この地域には、根強い男女格差があり、それがシングルマザーの前に立ちふさがっています」

社会福祉法人愛知県母子寡婦福祉連合会は、1950年に戦争未亡人の会として設立。「ひとり親家庭及び寡婦」に寄り添い、支援する団体だ。山本さん自身も、専業主婦だった30代後半で夫を癌で亡くした、元シングルマザー。夫の死後19年ぶりに正社員となり、現職22年目。様々な母子家庭と向き合い、支援して来た山本さんに地方のシングルマザーを取り巻く厳しい環境について聞いた。(ライター・陽菜ひよ子)

仕事はお茶くみやコピーとりばかり…

シングルマザーにとって就労は大きな問題だが、地方都市ならではの課題もある。

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

愛知県の場合、家計を支える大黒柱の男性の地位が高く、女性は家を守るもの、との考えがまだまだ強い地域だ。そのため、就業条件も男女の格差が大きい。女性の仕事は、お茶くみやコピーのみといった風潮が未だ残る。

名古屋市出身・在住の筆者自身、20代後半から40代前半にかけて、関西に2年、関東に10年以上住み、企業で働いた経験がある。現在はフリーランスだが、数年前までは、名古屋市内の企業数社に勤務していた。その中の一社では、業務内容はWeb系の仕事と聞いていたが、女性が筆者一人だったため、実際にはお茶くみや掃除などの雑用一切を行った。

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