妻の愚痴に「たいへんだったね」の返しがNGな理由 女性は理由がわかっても男性はわからない

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ただし、そうは言っても共感してあげられないことだってある。たとえば、子どもが「こんなに宿題出すなんて、先生、ひどいよ」と言ったとき、大人としては「ひどいよな」とは言いにくい。

妻の言い分に、にわかに共感できない事態だってあるだろう。妻がつらい思いを語っているけれど、男の目から見たら、何がつらいかよくわからないとき。

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たとえば、PTAのバザーの準備で「ああ言ったら、こう言われた」みたいな話。女心の機微は、男には皆目わからない。わからないのに、「そりゃ、イラつくよね」と言ってみたところで、ことばに真実味がなくて、「あなたに何がわかるの!? 」とかみつかれるのが関の山……なんていうとき。

こういうときは、「そうか」と聞いてあげればいい。「ソ」の語感は、言われた側の脳に「包み込むような優しさ」を、言った側の脳に「後腐れのない爽快感」を感じさせる。言われた側は、共感せずとも包み込まれたような気になり、言った側には、遺恨が残らない。

「そうか」「そうなんだ」「そういうことも、あるんだね」などなど、「ソ」で始まるうなずき語を用意しておくといい。

うちの息子は、私の話に、「そうか……世の中、そんなこともあるんだな」と、「ソ」をダブルにしてくれる。これ、本当に、ストレスが消えて、毎回成仏します(微笑)。

黒川 伊保子 人工知能研究者、脳科学コメンテイター、感性アナリスト、随筆家

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くろかわ いほこ / Ihoko Kurokawa

1959年、長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に携わり、脳とことばの研究を始める。1991年に全国の原子力発電所で稼働した、“世界初”と言われた日本語対話型コンピューターを開発。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。近著に『妻のトリセツ』(講談社+α新書)、『女の機嫌の直し方』(集英社インターナショナル)、『夫婦脳』(新潮文庫)など多数。

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