妻の愚痴に「たいへんだったね」の返しがNGな理由 女性は理由がわかっても男性はわからない
妻も似たようなものである。というか、妻のほうが、始末が悪い。たいていの妻は、皮肉を返してくるから。「今日、商談がうまくいった」に「いいわよね。あなたには、子育ての責任がないから、思う存分働けて」、「今日の会食のレストラン、美味しかったよ」に「私の手料理なんか飽きちゃうもんねぇ」とか。
なんでだろう。自分抜きでいい思いをしたパートナーに、一言言ってやりたくなるのは。それも愛なんだと思う。外でいい思いをしてきたパートナーに、置いてきぼりを食ったような、日ごろの自分の営みをないがしろにされたような、そんな哀しみを覚えるのは、彼を頼りにしているから。こういう皮肉は、愛だから、止められない。
なので、ここは、夫の側が、配慮してもらえないかしら。
「今日、商談がうまくいった。いつも支えてくれるきみのおかげだよ」
「今日の会食のレストラン、意外に美味しかった。今度、一緒に行こうね」
のように、「置いてきぼりを食った妻」のために、優しい一言を足してもらいたい。男たるもの、自分が「うまくいったこと」の報告は、妻に「ありがとう」を言うために、自分が「美味しかったこと」「楽しかったこと」の報告は、妻に「今度、きみと行きたい」を言うためにするものだと心得たほうがいい。
妻の側も、そうと気づいたら、皮肉はのみ込んでしまおう。自分の喜びを、無邪気に喜んでくれる妻を、男はどれだけ愛しく思うかわからないのだから。
夫が余計な一言を、妻が皮肉をのみ込んで、共感・祝福・ねぎらいに替えたら、夫婦の会話がどんなにか優しくなるだろう。それでこそ、「喜びが倍」になるのである。結婚式のスピーチをする偉いおじさまも、「歓びが倍に、悲しみが半分になるのが夫婦。その良き伴侶を得られたお二人に乾杯」とかだけ言ってないで、ちゃんと、そうなれる方法も教えてあげてほしい。
ネガティブな話は、相手の形容詞を反復せよ
相手が、ネガティブな話を始めたら、基本は、相手の使った形容詞を反復する。
「つらいの」「それは、つらいよね」
「痛かったのよ」「そりゃ、痛いよな」
というように。
実はこれ、女性はほぼ全員、無意識にやっている。ところが、男性には、なかなかできないのだ。すべてに「たいへんだったね」を返す人も多い。
「つらいのよ」「たいへんだね」、「痛かったわけ」「たいへんだったね」と、何にでも「たいへん」で返されると、どんなに親身に言ってくれても、他人事な感じがする。
なぜだか、わかりますか?
「痛い」「つらい」は自分の中で起こること、「たいへん」は状況を指して言うことば。半ば傍から見た感想だからだ。もちろん、相手が「たいへんだったのよ」と言ってきたら、「たいへんだったね」と受けていい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら