「勤続年数が短い人」が転職応募で注意する点 会社に問題があったという態度は疑問視される

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もちろん短期離職に至った経緯や理由には触れておくべきですが、仮に事実だったとしても、「一方的に相手を批判する他責傾向のある人」と捉えられないように注意すべきです。また自身にも反省すべき点があったと素直さをPRしつつも、次に活かす決意などを述べておきましょう。

・会社と目指す方向性が違うのがわかり、決断は早いほうが良いと考えた

・最初から溝があったが、面接や契約時に詳しく知ろうとすべきだった

・せっかく転職が決まった会社を短期で辞めたのは私も残念だが、この苦い経験を次に活かしたい

・事前に聞いていた話と違って残業が非常に多かった

・上司のパワハラがきつかった

・諸々の事情で離職率が異常に高い職場だった

といった辞めざるを得ない明確な事由を詳細に書いても、「不平不満や愚痴の多い人」と見られるだけです。ほどほどに。

具体的な書き方の例

30代後半~40代のための 転職「書類」受かる書き方
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ご参考までに、実際に応募書類に記述する際は、以下のような書き方があることをご紹介しておきます。

①経歴の通り、私は前職を3カ月で自主退職しております。

→ここもセオリーどおり、数字を用いて事象を振り返る。

②この背景には、雇用契約、特に給与面に大きな乖離がありました。

→端的に退職理由を述べておく。

③やりたい仕事でしたので、短期で退職するのは断腸の思いでしたが、不信感を持ったまま継続勤務するのは、相手にとっても失礼と思い、早々の退職を決断した次第です。

→自分なりに考えたうえでのことで、簡単に辞めた訳ではない点を説明する。

中谷 充宏 キャリアカウンセラー

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なかたに みつひろ / Mitsuhiro Nakatani

キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)。社会保険労務士。同志社大学法学部法律学科卒。新卒入社したNTT(日本電信電話株式会社)勤務後、1社転職を経て平成16年にキャリアカウンセラーとして独立。日本トップクラスの「就職&転職のパーソナルキャリアコーチ」。社会保険労務士として人事採用コンサルティングの経験が豊富。人事部長として企業人事を一任されるケースも多く、集団面接・GDに対する企業側のニーズや生々しい実際の面接シーンを、面接官として熟知している。4つの大学のキャリアセンターに所属経験があり、支援した大学生は1万人以上。
 

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