ただし、下のパネルにサイドウインドウ下端のラインを反転したような線はなくなり、ノーズから水平のラインが貫くようになった。そして、リアフェンダー周辺で彫りを深くすることで張り出しを表現するという、シンプルながら凝った面になっている。
サイドシルの途中でキックアップするラインを含めて、先代よりダイナミックな雰囲気を感じるデザインとなった。
セレナは、これまでもガラス面積の広さを特徴としてきたが、それは新型になっても変わらず、ライバルと比べるとやはりガラス面積の広さが目立つ。とりわけ前席については従来同様、かなり開放的な雰囲気が味わえそうだ。
驚いたのは、このスタイリングを5ナンバー枠に収めたまま実現していること。3ナンバーとなるのは、ルキシオンとスポーティグレードのハイウェイスターVだけだ。全車3ナンバーボディになったノア/ヴォクシーやステップワゴンとは、対照的である。
新色「利休」にも感じる挑戦の気概
リアはスライドレールの高さにクロームメッキのバーを回し、その上をすべてブラックアウトとした。小ぶりなコンビランプともども、すっきりした仕立てだ。だからこそ日産のロゴマークとSERENAの文字が際立つ。
「アルファード」を思わせるL字型コンビランプを取り入れたノア/ヴォクシー、初代の超縦長コンビランプを復活させたステップワゴンと比べると、個性が希薄に感じる。
ただし、機能面ではセレナだけのアピールポイントもある。先代から継承した、ガラスハッチを内蔵したデュアルバックドアも、その1つだ。狭い空間でもリアハッチを開けられることを、ありがたいと感じるユーザも多いはずだ。
ボディカラーは2トーン4色、モノトーン10色の全14色をラインアップしている。新色は、イメージカラーでもあるターコイズブルーと利休-リキュウ-だ。
後者は、土壁からヒントを得たというアースカラーとモダンなスタイリングの対比が面白く、色名を含めて挑戦の気概が伝わってくる。
インテリアでまず目立つのは、メーターとセンターのディスプレイが、インパネから立ち上がるパネル形状となったことだ。「ノート」や「アリア」「サクラ」にも似た手法であり、日産ブランドとしての統一感があるし、顔つき同様モダンである。
日産によれば、この形状は視界を遮る凹凸を減らしており、運転のしやすさにも貢献しているとのことだった。
もう1つ、注目したいのがドライブセレクターで、レバーではなくボタンで操作するタイプになった。
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