BMWが、またも賛否両論を巻き起こしそうな新型車を発表した。このブランド初のプラグインハイブリッド専用車であり、BMWのハイパフォーマンスブランドMにとって初の電動車になる「XM」だ。
車名自体、かつてのシトロエンのフラッグシップに使われた名称であり、長年シトロエンを愛用してきた1人として微妙な気持ちにさせられたが、BMWにとってみればSUVを表すXに高性能モデルの象徴であるMを組み合わせたわけで、商標問題等がクリアしているなら妥当なネーミングだろう。
でも、今回話題に上っているのは、ネーミングよりもむしろスタイリングである。
サイドビューは電気自動車「iX」に似ていて、現在のBMWの電動車の造形の延長線上にあると感じているが、フロントマスクはまったく違う。iXは「4シリーズ(クーペ・グランクーペ・カブリオレ)」に続いて、キドニーグリルを縦方向に大幅に伸ばした姿が話題になった。
4シリーズは、高性能エンジンを積むスポーツモデルなので、エンジン冷却のために開口部を大きくすることは理にかなっているが、電気自動車のiXには不要であり、実際に穴が開いていない“キドニーパネル”になっていた。
しかしながらこの流れは昨年、フルモデルチェンジして7代目になったフラッグシップセダン「7シリーズ/i7」にも受け継がれている。
「すべての人の目を惹きつける」
一方のXMは、キドニーグリルこそこのブランドのベストセラーモデルである「3シリーズ」と同様に横長であるが、エッジを明確にした八角形とするとともに、全体が周囲より飛び出しており、さらに外枠をクロームでフチどって、暗い場所では光を放つことで存在感を増すようになっている。
インポーターのニュースリリースでは、XMのデザインについて「すべての人の目を惹きつける、非常に個性的なデザインを有し、新たな市場セグメントを開拓する」としている。そして7シリーズなどのラグジュアリーモデルで採用している、上下2分割のヘッドランプを組み合わせたという。
では、なぜBMWはキドニーグリルをここまで目立たせようとしているのか。理由の1つに販売実績があると考えている。
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