新型に「カングーらしさ」は残っているのか? 試乗でわかった「ルノーの流儀」の一貫性

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2代目カングーと並ぶ3代目カングー クレアティフ(筆者撮影)

2020年に欧州で発表されてから、デザインを中心に賛否両論を巻き起こしてきたルノーの新型「カングー」が、日本に上陸した。

デザインについては、筆者も欧州での発表直後に記事にしているが、今回は試乗会で実車に対面した印象を記したい。まずは、日本で販売されるラインナップを紹介しよう。

ガソリン/ディーゼル、フルカラー/ブラック

先代は日本でも13年にわたり販売されたロングセラーであった。それゆえ、初期型と最終型とではエンジンやトランスミッションも違っており、グレードも変わっていた。また、モデルライフの途中には、多くの限定車も用意された。

ただし、2022年に販売終了となった頃はシンプルで、ガソリンエンジンの「ゼン」に6速MTとルノーではEDCと呼ぶDCT(デュアルクラッチトランスミッション)が設定され、最後に限定車として「リミテッドディーゼルMT」が用意された。

新型では、ガソリン/ディーゼルともにトランスミッションはEDC(7速)のみに。ゼンはガソリン車のみに受注生産として用意され、その上に「クレアティフ」と「インテンス」が、ガソリンとディーゼルの両方で選べるようになった。つまり、これまでよりも上級にシフトしたことになる。

フルカラーバンパーとホイールキャップが装着されるインテンス(筆者撮影)

インテンスは、他のルノー各車でもおなじみのグレード名だ。対するクレアティフは、先代に一時期設定されていた「アクティフ」に似ていて、バンパーやドアハンドルがブラックになり、ホイールキャップはセンターのみになる。

カングーは、欧州では商用車としての需要も根強く、新型でもバンが用意される。日本でも現地での活躍を知るユーザーは少なからずおり、商用車仕様に近い仕立てを望む声があることから、このような仕立てが用意されたようだ。

ブラックバンパーとハーフホイールキャップが採用されるクレアティフ(筆者撮影)

ちなみにクレアティフのような仕立ては、欧州ではバンのみに用意される。すべての日本仕様が装備する観音開きのバックドアも、欧州ではバンにしか用意されない。

それなのに日本仕様でこのような仕立てができるのは、この国にカングーのファンが多いことを、ルノーの人たちも知っているからだ。しかも、開発担当者の中には日産・三菱自動車とのアライアンスの関係で、日本に長期滞在する人もいる。

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