日本でもっとも人気のあるフランス車、ルノー「カングー」。その3代目となる新型モデルの日本仕様が2月24日に発表され、3月2日に発売となることが明らかにされた。フランス本国での発表は2020年11月と1年以上も前で、日本のカングーファンにとって待望の1台である。
とはいえ、今の段階ではすべてのカングーファンに受け入れられている、とはいいがたい。カングーといえば、他社のミニバンやワゴンとは明確に異なる柔和な印象のスタイリングや、“道具っぽさ”を感じられるインテリアが、人気の根源だったからだ。
新型カングーのスタイリングは、プロポーションこそ歴代カングーから継承されるトールワゴンスタイルだが、ヘッドランプはシャープなものとなり、直線的だったサイドビューも曲面が多用されたものに。
また、インテリアも質感が高められ、大型ディスプレイやフルデジタルメーター、金属調のパネルが採用されるなど、現代的になった。
一般的なミニバンやワゴンモデルなら、このモデルチェンジの方向性は歓迎されるだろう。しかし、“道具っぽさ“や“ギア感”が求められるカングーにおいては、本国で発表されたときから否定的な声が多く聞かれた。洗練されていくことが、「カングーらしくない」と見られたのである。
日本だけの黒バンパー+観音開き
ルノージャポンもそうした声がユーザーから出ることは、想定済みだったのかもしれない。ルノージャポンが出した答えは、「日本向け特別仕様」を作ることだった。
具体的には未塗装のブラックバンパーと、センター部のみを覆うハーフホイールキャップ、観音開きの「ダブルバックドア」、そしてイエローのボディカラーの採用だ。
2002年に初代カングーが初上陸したときバンパーはブラックのみで、ボディカラーはイエローが人気色に。この「イエロー+ブラックバンパー」のスタイルが、日本におけるカングーのイメージを定着させた。その後、イエローのボディカラーはカングーの定番であると同時に、一番の人気色となる。
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