マイナーチェンジでバンパーはボディ同色となるが、あえて未塗装バンパーを装着しホイールキャップをはずして乗る“ドレスダウン”が定番カスタマイズとなっていったのも、日本独自のカングーカルチャー。未塗装バンパーを装着した特別仕様車やグレードが用意され、2代目へとフルモデルチェンジしてもそうした仕様が人気を博した。
そこで、新型カングーでははじめからブラックバンパー仕様をラインナップし、日本のカングーファンに応えたのである。この「ブラックバンパー+ダブルバックドア+イエロー」の組み合わせは、日本向けにしか存在しないという。まさに日本のファンのための仕様なのだ。
このブラックバンパーモデルは「クレアティフ」というグレード名が与えられ、ボディ同色バンパーを持つ「インテンス」グレードと同価格で設定される。
「コカングー」→「デカングー」の変化ほど
もうひとつ「カングーらしくない」と言われたのが、拡大されたボディサイズだ。全長4490mm×全幅1860mm×全高1810mmのボディは、先代よりも210mm長く、30mm幅広い。「こんな大きなクルマ、もはやカングーではない」というのである。
たしかに、210mmも長くなれば1クラス上の車格に迫るし、1860mmという全幅は「クラウンクロスオーバー」より広い。それでも、「ヴォクシー」などよりまだ200mm短いし、全幅は先代から30mmしか変わらない。特別に大きすぎることはないだろう(全高は初代からずっと変わらない)。
それに、2代目カングーが出たときのことを思い出してみれば、全長で245mm、全幅は155mmも大きくなり、当初は「こんなのカングーじゃない」と言われ、初代を「コカングー」に対して「デカングー」と揶揄して呼んだものだが、今ではそんな声も聞かれなくなったし、デカングーも愛称として定着している。3代目も、いずれ多くの人に受け入れられる日がくるだろう。
なんたって、2007年以来のフルモデルチェンジである。その進化は著しい。
プラットフォームは「CMF-C/D プラットフォーム」で、「メガーヌ」や日産「エクストレイル」、三菱「アウトランダーPHEV」などを共通のものがベース。このプラットフォームの採用により、積載性が大きく向上したと説明される。
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