頭いい人が実践「思考力の鍛え方」なるほどな方法 「論理」と「ひらめき」を使いこなすのが大切だ
結論と呼べるためには、最終的にはそれを「何月何日に○○さんが○○さんと○○について話をして◯◯についての同意をする」というところまで具体化しないといけません。
具体とは、「固有名詞と数字」です。よくも悪くも実体とつながっているのが具体です。1つ1つ個別に対応する、1つ1つ別々に見えるのが具体の世界です。
したがって個別の知識を集めて一般則を考える「帰納法」においても、1つ1つの具体的な例を出し情報を集めるときにも、「A社のXさんが何をした」「A社の去年の売上はいくらだった」「商品はY地方で何%売上が上がって、Z地方で何%下がった」といった具体的な情報が大事になってきます。
具体の別の側面は「解釈の自由度が低い」ということです。先ほどのアクションでも同様ですが、解釈の自由度が低いということは、目標を立てたときにそれが達成できたか否かが明確にわかるということです。
したがって、目標を確実に達成したいときには、具体的に設定する必要があります。
一方、具体的であることのデメリットは(自由度が低いので)「応用が利かない」ということです。1つ1つ個別にすべて対応しなければいけないので、A社でやったことをそのままB社に使うことができません。
抽象は応用を利かせられる
一方、抽象のメリットというのは、応用を利かせられるということです。抽象は具体とは違って目に見えず、実態とは乖離(かいり)していますが、解釈の自由度が高く、そして応用が利くという特徴を持っています。また、抽象は具体と比べて、より上位概念となります。
抽象世界に存在する「一般的なルール・法則」は、応用が利くという抽象のメリットを理解するのに役立つでしょう。一般的なルール・法則とは、例えば、「鳥類にはどんな性質があるか」や「ある業界の会社にはどんな傾向があるか」などです。「鳥類は体を羽毛でおおわれている」という一般的なルールから、「ペンギンは体を羽毛でおおわれている」、「自分は見たことはないが、名前だけは知っている海外のある鳥は体を羽毛でおおわれている」など、さまざまな個別の事例に応用することができる、というわけです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら