「社会の分断」とか「内戦寸前」とか、いろんなことが言われてきたアメリカ政治に、久しぶりにポジティブな変化が起きている。それは思い切り世代交代が進みそうだ、ということである。
前回の拙稿では「中間選挙後のアメリカは『トランプ劇場』になる」 と書いた。ところが11月15日のトランプ氏による「2024年大統領選挙出馬宣言」に対して、世間の風当たりはまことに冷たかった。
共和党が苦戦した理由とは?
それというのも今回の中間選挙、珍しいことに一般投票数では共和党のほうが民主党を5%くらい上回っている。それだというのに上院では1議席を失い、下院では多数を得たにせよ、現時点では共和党220議席対民主党213議席(残る2議席は未定)と、1桁台の差に留まる見込みである。わが党がこんなに苦戦したのは、いったい誰のせいなのか?
共和党のベテラン選挙参謀にして、2002年の中間選挙ではときのジョージ・W・ブッシュ大統領に議席増をプレゼントしたカール・ローブ氏は、選挙直後の11月10日のウォール・ストリート・ジャーナル紙にこう寄稿した(With No Red Wave, Trump Is Out at Sea.)。
共和党内で、澎湃としてトランプ批判が高まっている。トランプ氏の出馬表明が、いささか歯切れの悪いものになったのも無理はない。とりあえず「2020年選挙は盗まれた!」という、いつもの持論は封印したのであった。それもそのはず、いささか気が早いとはいえ、こんなデータが公表されている。2024年の年頭に行われる次期大統領選挙の予備選に向けて、誰を支持するかの調査がすでに共和党内で行われているのである。
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