統合失調症×うつの夫婦が漫画で描く人生の希望 生きづらさを抱えた2人がどう出会い、結婚したか

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同棲4年目を迎えた頃、暁さんのうつは3年になろうとしていた。

暁さんの様子を見守る、コギ丸さんはある決断をする。

「『結婚しよう』と伝えました。当時はあまり結婚願望がありませんでした。自分の親や兄弟から『家族は怖いもの』というイメージがありましたから。

ただ、暁さんはうつで寝込んでいて、自分を責めることが多かったです。自分なら『いつ逃げられるかわからない』という気持ちになるなと思いました。結婚することで、逃げない証になれば良いと思って提案しました」

暁さんは即答できなかった。

後日、久しぶりに2人で遊園地へ行った帰り、結婚することを決めた。

結婚後は東京を離れ、暁さんの祖父母と同居している。4人の相性はよく、平穏な暮らしを送っている。

「働けるほうが、働けばいい」

暁さんは結婚後、うつは良くなっているが、まだフルでの就労は止められている。働いて、再びうつになってしまっては意味がないからだ。

「現在は私が漫画を描いて収入を得ています。月刊の連載で約40ページほど描いていますし、友達の漫画家のアシスタントをしたりもしています。今は完全にデジタルで作業をしているので、自宅で作業ができます。現在は東京を離れて、地方に住んで漫画を描いています。夫にはマンガ制作の手伝いをしてもらっています。私は夫婦は、

『働けるほうが、働ければいい』

と思っています」

「もちろん私(暁)もすぐにフルタイムで働くのは無理だとしても、仕事復帰したいと思っています。医療の免許を持っているので、医療関係の仕事に就きたいと思っています。それが今の夢ですね」

病気を抱える2人が結婚して、どのように幸せになったのだろうか?

「やっぱり気持ちが楽になりました。お互いに励ましあえます。

ただまれに、夫婦ともに希死念慮が重なる時があるんですね。そういう時は、気持ちが同調してしまうので大変です。なんとか理性を保って、頑張って生きるほうにシフトしていく感じになります。

お互い闘病はきついですけど、でもそれだけではなく、楽しく生きていますね」

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