統合失調症×うつの夫婦が漫画で描く人生の希望 生きづらさを抱えた2人がどう出会い、結婚したか

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仕事面では順調に進展していたが、相変わらず母親の作ったゴミ屋敷の中で生活していた。精神的には良くなってはいなかった。

「もう生きているのもつらくて、身辺整理をしていました。終活(人生の終わりに向けての活動)のような気持ちでした」

そんな頃に、コギ丸さんは暁さんに出会った。出会いの場は知り合いのホームパーティーだった。

「最初はお互いに好きという感情はなかったです。ミクシーやスカイプで普通に交流していたんですが、とても親身になって話を聞いてくれました。それからお付き合いするようになりました。

その時は、かなりギリギリの精神状態だったので、夫と出会っていなかったら危なかったと思います。今でも希死念慮(死にたくなる気持ち)はありますけど、なんとか生きるほうに気持ちを持っていけています」

(漫画:『夫婦でビョーキですが、幸せになってもいいですか?』(ビジネス社))

朝起きたら会社への行き方がわからなくなった

付き合い始めた頃は、暁さんは社会人1年目で健康だった。しかし、病んでしまう。

暁さんは、当時の様子を語る。

「当時は病院で勤務していました。夜勤を任されるようになったり、上司のいさかいに巻き込まれたりなどで、徐々にストレスを溜め込んでいました。ある日、朝起きても会社へ向かえなくなっていました。会社への行き方を忘れてしまっていて、どう行ったらいいのかもわからなくなっていました」

暁さんは自分でもおかしいと思ったため、すぐに心療内科を受診した。うつと診断されて会社を休むことになった。

その後、なんとか復帰できないか粘ったが、そもそものストレス源が職場にあるため難しかった。結局、退職することになった。

「症状が酷いときには丸一日ずっと寝込んでいました。ほとんど体を動かすことすらできなくて、まばたきを1回したらイエス、2回したらノー、で妻に意思を伝えたりしました」

その後、療養しながら別の職場に通うようになったが、なかなか良くならなかった。

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