さて、自民党にとって、旧統一協会問題は、世間にさらされた「起きてしまった」問題だった。問題のトラブルシューティングを少なくとも岸田首相は考えただろうし、その他にも政権中枢の誰かが考えたはずだが、問題の対処方針を初期の段階から間違えてしまった。
自民党はどうすれば良かったのか
自民党にとって、旧統一協会問題は以下のような問題だった。
② パンフレット、動画、証人などがいると、過去にあった問題が明らかになる、後々まで材料の出る問題(=時間の経過でうやむやにするのが難しい問題)
③ 国民の関心が高く党全体に影響が及ぶので、自民党としても、個々の政治家としても、開き直りでは解決できない問題
④ 政治家にとって最大の関心事である選挙に影響する問題
仮に、読者が経営コンサルタントで、自民党がクライアント(顧客)の会社であるとした場合、どのようなアドバイスをするか考えてみてほしい。読者なら、どうするか?
前提として、党の存続に関わる④の問題に目処を付けておかねばならないが、結論を言うなら、なるべく早い段階で、(1)旧統一協会への党としての態度を明確にし、(2)党独自の基準を設定して問題議員を公表し、(3)問題議員を大臣・副大臣・政務官などの政府の職と党の役職からすべて外してクビにして人事を一新して、(4)今後は一切関わらないと宣言することが必要だった。
「なるべく早い段階」は、(3)がサプライズを以て世間に受け止められるような初期の段階であることが理想だ。大臣や党三役などできるだけ「大物」のクビを切ることが出来たら効果的だったはずだ。(1)、(4)は後にそのような方針を打ち出したのだし、その他の問題については、善悪は別として「党の経営者」は以下のように考えたらよかった。
大規模な役職解雇は党内を混乱させるだろうが、それで党を割る勇気のある議員は少ないはずだし、仮に党が割れても選挙をやれば岸田首相に近いサイドが大勝するはずだ。従って、「党内のハレーション」を恐れる必要など全くない。
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