河野太郎デジタル大臣は、マイナンバーカードと健康保険証の一体化とを組み合わせて「2024年秋での健康保険証の廃止」を打ち出した。
マイナンバーカードの普及はもっと急いでもいいくらい
現場の事情を考えると「性急だ」、健康保険を質に取るとは「強引だ」との批判はある。
しかし、筆者は「マイナンバーカードの普及をできればもっと急ぐべきだ」と論じたい。理由は、「庶民」にとってはメリットが大きいはずだからだ。
後述のように、庶民でなくともマイナンバーカードによる個人データの統合に「感じの悪さ」を覚える国民は少なくないと思われる。しかし、得失を深く考えないで政府の方針に反発するのは賢くない場合がある。マイナンバーカードへの反感はたぶんその類いだ。
それにしても、健康保険証廃止とは思い切った手を打つものだ。マイナンバーカードがないと生活ができないと感じる人が多いだろう。健康保険の利用を諦めてまでマイナンバーカードの取得を嫌う人は稀だろう。
ここまでして普及を急ぐことを思うと、マイナンバーカードの取得はもともと義務化で良かった。当時の国民の理解と政治家の力量を考えると、任意作成として導入せざるをえなかったのだろうが(河野大臣のせいではない)、今になってこのような無理をすることになった。
ただし、マイナンバーカード利用の「本丸」は全金融口座との紐付けだ。ここまでやるべきだと強く主張したい。そのために有効な道筋なら、健康保険証も、運転免許証もマイナンバーカードに一本化することで構わない。「普及はもっと急いでいいくらいだ」と申し上げたい。
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