ふかわさん「ひとりで生きると決めたんだ」の真意 “ひとり"であって、独りじゃない生き方が理想

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――表紙の一匹の羊の写真も、「なんで羊なんだろう」と考えさせられてしまいます。

これはアイスランドで出会った羊なんです。管理をするために一匹ずつ耳にタグが付けられているんですけど、人間も社会という群れで生きるという点でどこか通じるものがあるなと。人間も社会で生きる以上、完全にひとりで生きていくのは無理ですからね。

崖の上で一匹の獅子が吠えている写真じゃなくて、草原で羊がたたずんでいることの意味や背景を想像してもらえるとうれしいです。

――読み手の想像にゆだねられるのも、書籍の魅力かもしれません。

そうですね。いったい何人の人がこの羊と目が合うんだろうと考えるだけで、ロマンです。

この本に書いている内容って、僕がすでに結婚していて、子どもが2、3人いるような家庭を築いていたら、遭遇しない世界だと思うんです。今まで独身で生きたことによって遭遇した世界を失いたくないし、大事にしていたい。

でも、いつか誰かと出会って、一緒になったとしたら、その景色もちゃんと見つめていたいとは思います。

「絶対に結婚しないぞ」という気持ちではない

――この先、結婚する可能性もなくはないわけですね。

ひとりで生きると決めたんだ
『ひとりで生きると決めたんだ』(新潮社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

絶対に結婚しないぞという気持ちではないんです。ひとりで生きると決めて歩んでいく先に、同じ場所で足を止める人がいれば、その人と一緒に同じ景色を見ることもあるでしょう。その点はこだわっていません。

自分としては、「誰かいい人、いないかな?」って、パートナーを探す旅はしないということです。

「ひとりで生きると決めました」と、断言しているんじゃなくて、“決めたんだ”と表現している点に、「僕を見捨てないで」っていう気持ちを含んでいる気がします。

65歳になって、結婚相手がめちゃめちゃ欲しくなる可能性もあります。「誰かおかゆ作ってくれる人、いないかな」みたいな(笑)。人は変わるものですから、未来に余白を残しておきたいです。

伯耆原 良子 ライター、コラムニスト

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ほうきばら りょうこ / Ryoko Hokibara

早稲田大学第一文学部卒業。人材ビジネス業界で企画営業を経験した後、日経ホーム出版社(現・日経BP社)に。就職・キャリア系情報誌の編集記者として雑誌作りに携わり、2001年に独立。企業のトップやビジネスパーソン、芸能人、アスリートなど2000人以上の「仕事観・人生哲学」をインタビュー。働く人の悩みに寄り添いたいと産業カウンセラーやコーチングの資格も取得。両親の介護を終えた2019年より、東京・熱海で二拠点生活を開始。Twitterアカウントは@ryoko_monokaki

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