ふかわさん「ひとりで生きると決めたんだ」の真意 “ひとり"であって、独りじゃない生き方が理想

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ふかわりょう/1974年生まれ。神奈川県出身。94年、慶應義塾大学在学中にお笑い芸人としてデビュー。長髪に白いヘア・ターバン姿の「小心者克服講座」でブレイク。後の「あるあるネタ」の礎となる。現在はテレビMCやコメンテーターをはじめ、ROCKETMANとして全国各地のクラブでDJ活動を行う。楽曲提供やアルバムを多数リリースするほか、エッセイを発表するなど、活躍の幅は多岐にわたる。著書に『世の中と足並みがそろわない』『ひとりで生きると決めたんだ』(いずれも新潮社)などがある(撮影:今井康一)

――職場の人や親戚などから、「彼女(彼氏)いないの?」「結婚しないの?」と言われてしまうケースも、依然としてありそうです。

そうですね。逆に「この人は独身だから、結婚の話や家族のことを話題に出すのはやめましょう」みたいな周囲からの配慮もあって。そうした空気に敏感になったり、傷ついたりする人も中にはいるかもしれません。

ただ、僕の場合は、それはもう乗り越えるしかないと思っていて。あからさまに、話の輪から外されたら傷つきますけど、周囲からのナチュラルな配慮については、いちいち気にしている暇はないという感じです。

独身の自虐ネタが笑えない時代が来るかも

――お笑いのシーンでは、独身であることや結婚できないことをネタにするケースもたびたびあります。

お笑いで何がウケるか、何が面白いと感じるかは、その時代の空気によるものだと僕は思います。

笑いは時代と密接につながっているものだから、今まで笑いになっていたものが、これからは笑えなくなるものも当然出てくるでしょう。

特にテレビは、ある一つの価値観を印象づける「箱」だと思っているので、見ている人へのインパクトもそれだけ大きくなります。ある一つの笑いが強烈な印象を与えて、一部の人を傷つけてしまう可能性もあります。

結婚できないことや見た目の美醜を自虐ネタとしてテレビで前面に出していくのは、これからの時代、マッチしなくなるかもしれません。

――確かにテレビはわかりやすい一方、ダイレクトに伝わってしまいますからね。

テレビはテレビの良さはあって好きなんですが、僕自身が普段考えているような、人から見たらどうでもいいような、ささいな事柄ってなかなか伝わりにくいです。まず、誰も耳を傾けてくれませんから。

ラジオや書籍だからこそ、伝えられることってあるなと思います。

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