民間の職場にもこういう傾向はあると思うんですが、公務員だからこそよりこういった傾向が強いのかもしれません。私の場合なんて加害者と被害者がはっきりしているわけで、取り持つのは簡単だと思うんです。それでもとにかく職員同士のトラブルの解決に管理職が一切コミットしてこない。その責任があるとすら認識していないと思います。管理職の査定基準にそういった部下のケアの能力が組み込まれていないのかもしれません。
特に私の部署のトップは、先輩の問題行動が見られるようになった年に定年だったのもあり、あからさまに問題を放置して逃げきるようにして退職していきました。
――相談できる同僚はいましたか?
部署の同僚たちはまた別の問題を抱えていて、とても相談事ができるような信頼関係はありませんでした。セクハラのノリが部署全体に染みついていたんです。これも先輩の件と同じように、本当に幼稚で……。業務中、飲み会、会社のLINEグループに至るまで、ずっと下ネタで盛り上がっているような部署だったんです。性的な単語を覚えたての小中学生みたいな感じで、本当にひねりがないというか。誰かが卑猥な単語を叫んで周りがゲラゲラ笑うというのが日常風景でした。
業務中に卑猥な単語が飛び交う稚拙な環境
飲み会でもずっと下ネタで盛り上がっていて、体型のことをからかわれたり、なんの脈絡もなく頭を叩かれたりといったこともありました。管理職は見て見ぬ振りどころか、率先してそういう流れに参加している始末で。
飲み会はだいたい週末の金曜日にあるので、「土日の間にメンタルクリニックへ行き、回復に努めて、月曜に備える」というのを繰り返していました。そういった対症療法では追いつかなくなって本格的に体調を崩したのが、入職して1年ほど経った頃です。
――体にはどういった変化が起きていましたか?
主に自律神経にダメージが来ました。最初の頃は自覚がなかったんですが、夜眠れない日が続くようになりました。そのうち、たまに眠れた日でも症状が出るようになりました。寝ている間に失禁するようになってしまったんです。
その後、重度のうつ病と診断されました。頭がバグを起こしているような状況とよく言われますけど、本当にそんな感じでした。体が言うことを聞かず、うまくコントロールできませんでした。精神面では人間不信で極限状態に陥って、なんで生きているんだろうということばかり考えるようになり、実際に自殺企図をしたこともありました。内臓もダメージを受けて、胃が痛くてご飯も食べられず、急激に痩せてしまって。心身ともに弱りきっていました。
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