――加害をしてきた同僚について詳しく教えてください。
パワハラをしてきたのは私と同じポジションの40代の女性の先輩です。
四六時中他人の悪口を言っている人で、私が同じ部署に配属されてしばらくしてからは私が主なターゲットになりました。
ターゲットになる前から、不機嫌な態度をあらわにして八つ当たりしてきたり、面倒なことを押しつけてできた仕事の成果を横取りしていったりと理不尽な振る舞いが目立つ同僚でした。でも上司の前ではそういった面を見せないので、問題が顕在化しなくて。
――パワハラ被害に遭った方の中には、自分がパワハラを受けているという自覚のない方もいますが、恵梨香さんはいかがでしたか。
入職してから2〜3カ月経った頃に起きたことをきっかけに、これはパワハラだと思うようになりました。
「何が問題なの!?」衆目の中で理不尽に怒鳴りつけた
それまでは先輩の言動に気になることがあっても努めて穏便に受け流すようにしていたんですが、業務上どうしても正面から向き合わざるをえないことがあって。先輩が作成した資料に間違いがあったんです。ざっくりと言えば、そのままでは支援を必要とする市民の方にわれわれが提供しているサポートが届かない、サポートを受ける資格がないと認識させるような記述をしていたんです。しかも、連携すべき他部署にも話を通していなくて。
端的に言えば、かなり仕事が雑で、いろんな面で不備があったんです。
それで、直接先輩に指摘するのは嫌だったので上司に報告したんですが、運悪くその場に先輩が現れてしまって、上司はうまく取り持ってくれるわけでもなく……。上司の前なので、先輩は何かと理由をつけて間違いを認めようとしなかったんですが、その言い訳もよくわからないもので、しまいには上司がいる前で「何が問題なの!?」と私を怒鳴りつける始末でした。
その日を機に先輩は私に明確な悪意を向けてくるようになりました。業務上やりとりが必要な場面でも徹底的に無視されたり、陰口というか、同僚と話すとき私に聞こえるように「あいつ嫌い」と言ってきたりするようになりました。ほかにも、書類の回覧を私に回さないとか、部署の飲み会に私だけ呼ばないとか。小学生のいじめみたいな幼稚なものばかりで……。
――それらはパワハラの6つの類型の1つの「人間関係の切り離し」に該当すると言えます。上司や同僚に相談することはありましたか?
何度もしましたが、何も手を打ってくれませんでした。元々職場の雰囲気から期待できないとは思っていましたが。事なかれ主義というか、事はすでに起こっているのになかったことにしようとするんです。
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