「減税を盲信する人」に知ってほしい公共軽視の罠 パンデミック・エネルギー・教育・医療、課題山積

公共部門の重要な役割
私は、世界銀行の上級副総裁兼チーフエコノミストを務めたことによって、公共部門が世界の国々でそれぞれ異なっていることを知ることができた。公共部門の大きな国もあれば、小さな国もある。公共部門が非効率で汚職がはびこっている国もあれば、非常に効率的でありかつ公正な国もある。
経済の発展と成長に成功してきた国や、高度な社会的安定と結束力を維持している国のほとんどすべてにおいては、公共部門は重要な役割を果たしてきた。
私は、さまざまな理由で市場が効率的な結果をもたらさないという市場の失敗や、政府介入が事態をどのように改善するか、ということに注目してきた。しかし政府もまた非効率である場合が多い。日本の政府はあまりにも官僚的であるとよく非難される。私は、ホワイトハウスで大統領経済諮問委員会(CEA)の委員・委員長を務めていた数年間、政府をより効率的にし、かつ官僚的でなくする方法(その政策は「政府の再創造」と呼ばれている)に大いに集中し努力した。
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