アマゾン薬局上陸、"街の薬剤師は不要"になるか 日本で処方薬のネット販売への参入を検討

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アマゾン薬局が上陸した場合は、おそらく電子処方箋に対応する形で、患者がアマゾンで薬を販売している薬局に、電子処方箋の引換番号を伝えることにより、アマゾン経由で薬を送ってもらうことができるようになると考えられます。

薬局での待ち時間がなく、家で薬を受け取れる─―。このようになるとすれば、利用してみたいと感じる方もいるのではないでしょうか。

「電子処方箋」のほかに、「アマゾン薬局」誕生の後押しとなりうる法改正が3つあります。

1つ目は、先にも述べたオンライン上での服薬指導です。2020年9月から解禁された「オンライン服薬指導」は、文字通り、パソコンやスマートフォンなどを使用して薬剤師が患者に薬の飲み方を説明する制度のことです。

以前は、原則として薬剤師が対面で服薬指導することが義務付けられていました。オンライン診療を受けた場合でも、患者は郵送された処方箋を薬局に持参し、対面での服薬指導を受けなくてはならなかったのです。法改正によって、患者は服薬指導を受けるために、薬局へ足を運ぶ不便から解放されました。

リフィル処方制度が開始

2つ目は、今年4月からスタートした「リフィル処方」制度。「リフィル処方」は、定められた期間内であれば、1枚の処方箋を上限3回まで繰り返し使えるシステムです。

ご存じの通り、通常の処方箋では、医師が決めた日数分の薬を1回しか受け取ることができません。「リフィル処方」なら、2、3回目は受診をしなくても、同じ薬を受け取ることができるのです。

「オンライン服薬指導」と「リフィル処方」を利用すれば、慢性的な病気で薬を出してもらうためだけに受診し、病院の門前薬局で処方薬を受け取っていた患者が、2、3回目は病院にも薬局に立ち寄ることなく薬の配送までネットで完結できる。この利便性の高さは、処方薬のネット販売を促進する大きな要因になるはずです。

現状、「オンライン服薬指導」や「リフィル処方」の認知度はそれほど高くありませんが、「アマゾン薬局」の登場によって、劇的に浸透する可能性があります。

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