デニッシュ「実は広島生まれ」、意外な歴史の真実 欧州に学んだ男が立ち上げたアンデルセンの神髄
11月の季節商品「ロングデニッシュ(アップルジンジャー)」は、本店のルーツを知るために来日した、イスランズブリュッゲ店の職人が開発した。51センチに長く焼いてからカットして提供する、伝統的なタイプだ。ミニデニッシュ4個入りセットは、現代のライフスタイルにあわせて作られたもので、百貨店内などの店に並ぶ。
創業者のことば
現在、アンデルセングループは、全国で直営店を展開する「アンデルセン」、石窯パンなどを販売する「タカキベーカリー」、「リトルマーメイド」などの8社からなり、約7000人の従業員がいる。
グループが大切にする、故・高木俊介さんによる企業理念には、こう記されている。「私は七年間の戦地勤務を終えて帰還し、この仕事を始めました。創業当時感じていたことは「生きられる」ということの素晴らしさと、とにかく一流の商売をしよう、おいしいものを作ろう、という一途な気持ちでした。そして本物のパンを焼き、食事の楽しさを家庭で味わっていただくことで消費者の食生活の向上に何か役に立ちたいと一筋に考え、経営を続けてきました」。
創業の地・比治山のそばにある本社で、かつて創業者の下で働いた経験を持つ清川さんは、こんな話をしてくれた。「会議で社員がこれが売れましたと報告すると、高木はいつも言うんです。売れたはいいが、お客さまのためになったのか、役に立ったか。お客さまを裏切るな、とね。仕事に厳しい人でしたが、最後ニコーッと笑うんです。その顔を見るとね、この人について行こうという気になったものです」。
グループ名は、デンマークの童話作家 H.C.アンデルセンにちなむ。世界中の人々の心を豊かにする童話のように、デニッシュは広島から日本中に広がり、人々の生活を豊かに彩っている。
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