東大生が推薦「常識くつがえす読書」シビれる3冊 「当たり前」「無意識の前提」を突き崩される快感

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1冊目は、insightです。これは東大OBの人たちからもすごく人気の高い1冊です。

「自分のことは自分が一番知らない」科学的根拠

この本の説明のために、突然ですがみなさんに1つ質問です。

insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力
『insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』(英治出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

みなさんが、親しい友人1人と、個人的に苦手で嫌いな人1人を思い浮かべて、その人たちのいいところと、ダメだと思うところを考えてみてください。

さて、それってみなさんは、本人に伝えていますか?

実は大抵の場合、その人のダメなところは、好きな人も嫌いな人も等しく平等に、相手に伝えている人は本当に稀なのだそうです。親しいからと言って相手の欠点を伝えることもなく、親しくない人にだって欠点を言うことはないのだとか。

でも逆に、親しい人の欠点も親しくない人の欠点も、本人以外には割と伝えてしまっていることが多いのだそうです。

これは『insight』という本の中で紹介されている実験です。

この話からわかることは、僕たちは、自分の欠点を他人からフィードバックしてもらうことは本当に少なくて、であるにもかかわらず自分の欠点を他人同士ではシェアされていることが多いのだそうです。

かなり怖い話ですよね。

僕たちは知らず知らずのうちに、自分のことは自分が一番わかっていると思い込んでしまいます。でもそうではなくて、自分の欠点は地球上の誰よりも自分自身が知らされていない可能性が高いというわけです。

どうすれば自分自身のことについて他人から適切に意見をもらえるのか? 自分の中の思い込みを捨てて自分と向き合えるのか? それを教えてくれるのがこの『insight』なのです。

他人からマイナスのフィードバックを受けるのって、とても怖いことですよね。勇気がいるし、いざ受けると「そんなことない! 自分にはそんな欠点はない!」と思ってしまいがちです。でも、そんなときにこそこの本を読んで、自分に対する洞察を深める訓練をしてみてください!

次ページ2冊目は「自分の選択の根拠を問う」1冊
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