だから、もしあなたが何かを始めたいと思っていて、それを成し遂げるための10年計画を温めているとしたら、自分の胸にどうかこう問うてみてほしい。
これを半年でどうにかすることはできないものか? と。
もしかすると、あなたは10年間、試行錯誤しなければならないかもしれないが、それでも、それがあなた自身の勝手な思い込みでしかないのか、それとも避けて通れない現実なのかを問いかけてみる価値はあるはずだ」
流行に乗ることの問題点とは
ティム:未来を大きく動かすテクノロジーのトレンドは何だと思いますか?
「この手の『トレンド』について話すのは好きじゃないんだ。流行りに乗るということは、多くの人間がそれを始めるということだから。それはつまり、競争相手が増えて、差別化を図れなくなるってことだろう?
普通は流行りの後追いなんてしたくないよね。1990年代後半に4番手のオンラインペットフード会社をやりたくはないし、ここ10年間で12番手となるソーラーパネルの会社をやろうとも思わない。
それが何にせよ、流行りに便乗して、すでに星の数ほどある会社を真似て、新しい会社を作ろうだなんて思わないだろう。だから、流行にはあえて背を向けるべきだと思うんだ。
私は、流行りを追うよりも、使命感に注目したい。つまり、誰も解決できないことに取り組んでいるのか。大事なのはそこなんだ」
「イーロン・マスクがスペースXを立ち上げたとき、彼らは火星へ行くという目標を掲げた。それをどう思うかは別として、そこには彼らにしか解決できない課題が、確かに存在していた。そこで働く者たちは、そのことをよく知っていたし、それが彼らのやる気に火をつけたのは疑いようもないことだ」
ティム:ピーターは、以前こんなことを言っていた。
「第2のビル・ゲイツは、オペレーティングシステムを作らないし、第2のラリー・ペイジやセルゲイ・ブリンは、検索エンジンを立ち上げようとはしない。そしてもちろん、マーク・ザッカーバーグ2世は、SNSを始めない。彼らの真似をしているようでは、そこから何も学ぶことはできないだろう」と。
ティム:あなた自身は、スタンフォード大学、そしてロースクールにまで行っていながら、あなたの、大学や高学歴に対する意見はそれと矛盾しているのではないかと言われたら、どう答えますか?
(この質問の背景:多くの人が、ピーターを「反大学主義」だととらえている。それは、彼が立ち上げた、ティール・フェローシップ(教室で授業を受ける代わりに、何か新しいものを始める意欲のある若者に、10万ドルを与えるというもの)が影響している)
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