ボルボ初の完全電動「EX90」は姿も機能も規格外だ 安全性は最高峰、全てに渡り独自性を打ち出した

✎ 1〜 ✎ 114 ✎ 115 ✎ 116 ✎ 最新
拡大
縮小
ボルボ初のピュアEV「EX90」
ボルボ初のピュアEV「EX90」の全貌に迫る(写真:Volvo Cars)
この記事の画像を見る(21枚)

ボルボカーズが、完全電動の「EX90」なる7人乗りSUVを発表した。メーカー自身による事前の情報リークで、安全性の高さが喧伝されて話題を呼んできたモデルだ。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

脱炭素を企業でめざすと謳うボルボ。EX90は、同社にとって初の、ピュアEVとして開発したモデルで、車体はプレミアムクラスだ。航続距離は長く、高度な運転支援システムをそなえる。さらに、デジタル技術を広範囲に採用。それらは「人間中心」というボルボの製品コンセプトに基づいたものと説明されている。

私は、2022年11月9日のスウェーデン・ストックホルムにおける、このクルマのお披露目の場に立ち会った。同市内の中心地にこしらえたドーム型の特設会場を使い、世界中からジャーナリストが参加しての発表会。プレゼンテーションもおもしろかった。

EX90は球体の中から現れた

会場の中心に置かれていたのは、大小さまざまな白色の球体に覆われた物体。下のほうに車輪らしきものがちらりと見えるだけ。もちろん、それが主役のEX90ということはわかるのだけれど、なんで球体?

ボルボ「EX90」
お披露目のはじまりは球体の覆いが外されて…(写真:Volvo Cars)

11月のスウェーデンは、午後3時には暗くなる、太陽が姿を隠しはじめたときに、鳴り物入りで、ボルボカーズのジム・ローワンCEOとともに実車が公開された。

球体をとりつけた筺がワイヤによって天井のほうに持ち上げられると、そこにEX90が現れた。最初の驚きは、フロントマスクだった。グリルの開口部をもたず、ボディ同色パネルに、ボルボ車の伝統的なアイアンマークが、こちらは逆に大きなサイズとなってはめこまれている。

すでに日本でも2021年に発売されたC40と共通する、ピュアEVのデザインテーマなのだろう。ただし、ウインドウグラフィクスといって、サイドウインドウの輪郭を含めて全体の雰囲気は、従来のCX90を思わせるものなので、今回のフロントマスクによって、違和感、もとい、あたらしさがより強調されている、というのが、私がそのとき思ったこと。

「これはエンジニアとデザイナーのすばらしい成果。ボルボの新しい時代のはじまりです」。ローワン氏の第一声だ。

「EX90は、エレクトリックエイジにおける、ラージファミリーセグメントのSUVです。安全性、テクノロジー、サステナビリティ、デザイン、それに乗員1人ひとりの個人的体験の提供といった、これからのボルボ車のありかたを指し示すものです」

次ページ「乗員を包んで守る」という意味
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT