ボルボ初の完全電動「EX90」は姿も機能も規格外だ 安全性は最高峰、全てに渡り独自性を打ち出した

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ダイソンCEOから2022年3月にボルボカーズCEOに転じたジム・ローワン氏
ダイソンCEOから2022年3月にボルボカーズCEOに転じたジム・ローワン氏(写真:Volvo Cars)

私はボルボに来て100日ですが、ボルボは100年の歴史があります、と言って、来場者の笑いを誘ったあと、ローワンCEOは、ボルボがクルマづくりにおいて強く意識しているのは、人間中心の製品づくりです、と語った(じっさいは1927年創業なのでスピーチの時点では創業95年で、ローワン氏はボルボに来てから約250日(笑))。

で、球体の話に戻るが、「あれは私たちがEX90のビデオでも使っているバブル(細かな泡)をわかりやすく表現したもの。バブルは緩衝材のことで、つまり、乗員を包んで守るというEX90のコンセプトの象徴なのです」と、本社の広報担当者がとなりで説明してくれた。

「目には見えない安全保護」

まず、安全性について書くと、「いままでのいかなるボルボ車よりも高いレベル」と謳われる。コネクティビティと電動化をこのために使っているそうだ。それをボルボでは「目には見えない安全保護」としている。

代表的なものが、LiDAR(ライダー)の採用だ。ボルボは2018年に本社を置くスウェーデン・ヨーテボリで「360c」という安全性に関するコンセプトモデルを発表したことがある。私はそのときも現場に居合わせ、さまざまなパートナー企業の技術展示を興味ぶかく見ることが出来た。LiDARもそのひとつだ。

LiDARは、いくつもの光を使って路面状況を検知する安全技術。EX90はルミナー社のものを使用。「夜間でも高速でも使えて、250メートル先まで、路面の起伏や障害物を検知し、運転支援システムへ情報を提供します」と、発表会に登場したボルボの技術者が説明してくれる。

「膝に眼がついているようなものです」。さきの路面の検知性能の高さについて、ボルボでエクステリアデザインのヘッドを務めるT・ジョン・メイヤー氏はそうたとえる。ただし、搭載位置が高いほど遠くが検知できるため、EX90でもルーフの先端部に設置される。

メイヤー氏は「デザインに溶け込ませるのは、ひとつのチャレンジ(苦労したということ)だった」とするが、先進安全技術の代表例であるLiDARは少なくともあるていど目立ったほうが、クルマの安全性の喧伝に役立つといえるかもしれない。さきに「目には見えない安全保護」としたけれど、LiDARはある意味、よく見える安全保護なのだ。

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