ユニークな特徴は、フロントマスクだ。あえて、内燃機関につきもののラジエターグリルを廃することで電気自動車のイメージを強調。ヘッドランプもLEDで構成されたマトリックスタイプ。
近年のボルボ車に共通する、「トール(神が持つ)ハマー」型は継承されているが、コンセプトは斬新だ。メインのヘッドランプが点灯するときは、2段のマトリックスライトが上下に消えていき、奥からヘッドランプが現れるといった、ユニークなイメージ(光学的な印象)を作っている。ペイジ氏はこれを「目を開ける」と表現。
内装面では、ボルボがつねに大事にしてきた「スカンジナビアデザイン」(カラー&マトリクス担当シニアデザインマネージャー、セシリア・スターク氏)を活かしている。基本的なコンセプトは、従来の継承だ。
動物由来の素材を追放し、新開発の合成皮革を使用
北欧の光のような淡い色を使った内装色を、シート地やドアの内張りに使い、ウッドパネルもドリフトウッドといって海岸に漂着した木のイメージでテカりを抑えている。
加えて今回から動物由来の素材を追放。ウール混紡のファブリックや、新開発の合成皮革を使う。感触や見た目は、じゅうぶん、快適で、ぜいたくとすら言える。家具やファッションの流れに呼応するものだ。
室内照明も、考えかたはボルボらしいというか、他社とちがう。ドアの内側のパネルを透かして照明がほんのり灯る。赤や青や緑を使うドイツ車とは完璧に一線を画している。
「ボルボの規模の会社が生き残っていくには、大きな競合と真っ正面から向き合っていてはむずかしい。この会社の独自性が、すべてにわたって求められているのです」。前出のスターク氏はそう解説してくれた。
EX90の生産は北米と中国で。北米で生産が始まるのは2023年からで、欧州での発売は早くても同年の後半という。日本での発売はそのあとで、現時点では「未定」(日本法人の広報担当者)だそうだ。
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