メタが1.1万人削減に追い込まれた苦しい懐事情 収益に対して人件費が膨れ上がってしまっていた

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とはいえ、一連の解雇によってメタの業績が継続的に上がるかはわからない。フェイスブックはこれからそれほど利用者が爆発的には伸びないような気がする。

一方、メタは仮想空間のメタバースにシフトした戦略を有している。私もメタのVRゴーグル(Meta Quest)を購入し、有料コンテンツも相当数ダウンロードしている。そんな私であっても、Meta Questが一般的に爆発的に広がるような気はしない。

アメリカのダイナミクス

あえて積極的な解釈をしてみよう。メタがどうなるかは不明だが、今回の大規模リストラはアメリカ全体では前向きに捉えることもできるだろう。シリコンバレーではメタのように解雇を躊躇しない。正確にはアメリカでは法律上も解雇を躊躇しない。不謹慎かもしれないがこれこそがアメリカのダイナミクスだろう。そしてその“解雇”が次なる雇用への“機会”になるだろう。

解雇になった社員の状況はさまざまで、中には路頭に迷う人もいるだろう。ただ、現在のアメリカではIT人材が不足している状況にある。「元メタ」という経歴は弱くないだろう。解雇された社員たちはWeb3.0のサービスを掲げる新たな企業に流れていくかもしれない。さらに人材のマーケットにはTwitterの元社員たちもいる。次なる革新的なサービスが生まれ、育つ土壌になりうる。これらの点は雇用が硬直化しがちな日本とは事情が異なるのだ。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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