「トイレをがまんする子」の見過ごせない健康問題 小学生の6人に1人が「便秘状態」という衝撃事実

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日本トイレ研究所は2017年、47都道府県の小学生4777名の保護者を対象に「小学生の排便と生活習慣に関する調査」を実施しました。調査の方法は、インターネットによるアンケート回答方式です。

調査の結果、 小学生の16.6%が便秘状態で、20.7%が便秘予備軍であることがわかりました(下のグラフ)。

子どもたちの排便状況
子どもたちの排便状況 日本トイレ研究所「小学生の排便と生活習慣に関する調査」より

育ち盛りで、しかも栄養バランスのよい給食を食べている小学生の6人に1人が便秘状態というのは驚きであり、この結果を深刻に受け止めなければならないと感じています。

さらに、便秘状態にある小学生の保護者に「あなたから見て、お子さまは便秘状態にあると思いますか」という質問をしたところ、26.6%は「便秘状態だと思わない」、11.1%は「どちらともいえない」という回答でした。つまり、37.7%の保護者が自分の子どもを便秘状態にあると認識していないことになります。

子どもの便秘は放置すると悪化しやすく、発症から初診までの期間が長くなるとそれだけ改善するまで時間がかかると考えられます。そもそも便秘の状態では、体調が悪いでしょうし、おいしく食事を摂ることも、元気に遊ぶこともできません。勉強に集中することだってできないのではないでしょうか。

うんちの出るメカニズム

ここで、うんちの出るメカニズムについて簡単に説明します。

かなり大雑把にいうと、食べ物は胃で消化され、小腸で栄養を、大腸で水分を吸収します。この過程でいわゆるうんちが形づくられます。大腸の入り口ではほぼ液状ですが、左下腹部あたりで私たちが目にする形状になります。

左下腹部あたりにあるS状結腸にスタンバイしていたうんちが、何かのタイミングで肛門の手前にある直腸に向けて押し出され、直腸の内壁が押されると便意を感じます。あとは、トイレまで移動して排泄するだけです。ちなみに何かのタイミングと書きましたが、食事などで胃に食べ物が入ると、その反射で腸が大きく動くといわれています。

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