ジョブズが語った「デザイン」という概念の本質 見た目ではなく「深く掘り下げてみると実は機能」

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<1993年〜1996年 《逆境》
閑職に追いやられ、新たな道を模索する日々>

墓場の中で一番の金持ちになったところで意味はない。
夜、眠りにつく時、我々は素晴らしいことを言えること。
それが重要だ。
――『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙 1993年5月25日


もはやハードウェアでどれだけ頑張っても、他より2倍も優れたコンピュータはつくれない。ノウハウを持っている人が多すぎる。
他より1.3倍とか1.5倍いいものができたらラッキーだよ。
その後、半年もあればみんなに追いつかれてしまうけどね。
――『ローリング・ストーン』誌 1994年6月16日


アーティストの才能というのは、身の回りにある物事の本質を見抜く力のことだと思う。そういう洞察力を持った人は、誰もやったことのない方法で物事を組み合わせ、それを洞察力のない人にも分かる方法で表現できるんだ。
――スミソニアン協会「Oral and Video Histories」
1995年4月20日

 

今、この業界で何かしようと思ったら、1人では不可能だ。人を集めてチームをつくる必要がある。そして、チームが一丸となって働けるようにしなければならない。そうすればメンバー全員が最高の仕事を成し遂げようと全力を尽くしてくれる。
――スミソニアン協会「Oral and Video Histories」
1995年4月20日

 

成功する起業家とそうでない起業家を分けるものは何か。約半分は真の忍耐力を持っているかどうかだ。(中略)強い情熱がなければ生き残れない。
途中であきらめてしまうだろう。だから、アイデアでも課題でも、正したいことでも、何か自分が熱くなれるものを持たないとだめなんだ。
そうじゃなきゃ、最後まで耐え抜くことなんてできない。
――スミソニアン協会「Oral and Video Histories」
1995年4月20日

結局、決め手はデザインだった

(アップルを去った後の発言)
私にはアップルを救済できるプランがある。
アップルにとって完璧な製品、完璧な戦略だが、それ以上は言えない。
まあ、アップルの中に私の言うことを聞く者はいないだろうが。
――『フォーチュン』誌 1995年9月18日

スティーブ・ジョブズの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実
『スティーブ・ジョブズの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実』(文響社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。


デザインっていうのは面白い言葉だ。
見た目のことだと考えている人もいるが、もっと深く掘り下げてみると実は機能のことなんだ。Macのデザインとは「どう見えるか」ではない。
部分的にはそうとも言えるが、本質的には「どう機能するか」ってことなんだよ。本当に素晴らしいデザインをつくるにはこれがわかっていないとだめだ。心底から理解しなければならない。何かを徹底的に理解し、かみ砕くには情熱を傾ける必要がある。すぐ鵜呑みにするのとはわけが違うんだ。ほとんどの人がこういうことに時間をかけていない。
――『WIRED』誌 1996年2月


何を優先して何をあきらめるか、家族で時間をかけて話し合ったよ。
デザインに関する議論が多かったけど、家族みんなの価値観についても話し合った。洗濯が1時間半ではなく、1時間で終わることを最も重視するか? それとも、衣類の肌触りがソフトになること、衣類が長持ちすることを最も重視するか?水の使用料が4分の1になることを重視するか? 約2週間、夕食の度にこういった話をした。古い洗濯乾燥機の議論によく頑張ったよ。結局、決め手はデザインだった。
――『WIRED』誌 1996年2月

ジョージ・ビーム ジャーナリスト

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George Beahm

アメリカ合衆国ヴァージニア州在住のジャーナリスト。鹿児島出身の母を持つ日系アメリカ人。ビジネスやポピュラーカルチャーに精通し、これまでに30作以上もの書籍を発刊。本書のアメリカ版は、発売前からAmazon US などでベストセラーランク入りを果たす。

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