会社員の副業、年「300万円以下」でも節税できるか 帳簿をそろえれば国税当局も認めるというが…

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
動画編集、アフィリエイト、ネット通販……会社員でも副業で二足のわらじを履く人は少なくないMediaFOTO / PIXTA(ピクスタ)

会社員にとって、今や大事なのが副業収入である。果たして副業は、節税効果の高い「事業所得」なのか、そうでない「雑所得」なのか━━。

国税庁は今年8月1日、所得税基本通達の改正案を公表した。「2022年分以後の所得税において、副業で得た収入が300万円以下なら、『事業所得』でなく『雑所得』として取り扱う」という内容だ。

もし雑所得と判断されてしまうと、税のさまざまな優遇措置がほとんど適用されなくなる。

10月31日(月)発売の週刊東洋経済11月5日号では、「秀才たちの新ヒエラルキー 高揚するコンサル したたかな弁護士 黄昏の税理士」を特集。税金の世界で日夜苦闘する税理士や国税当局、納税者たちの現状も描いている。

損益通算や繰り越し控除が使えなくなる 

今回、金額による線引きを国税庁が表明したことで、節税ができなくなることを恐れた納税者が猛反発。「副業を推進する政府の方針に逆行するものでは」「本業か副業かで所得区分を判断すべきではない」など、1カ月間で7059件もの厳しい意見が寄せられたのだった。

週刊東洋経済 2022年11/5号(10月31日発売)では「高揚するコンサル したたかな弁護士 黄昏の税理士」を特集。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

ついに国税庁は10月7日、300万円の基準を見直してしまう。“帳簿書類の保存”があれば、事業所得として判断する、という内容に変えたのだ。当初より妥協案とも取れる修正だが、専門家の間では、計算された厳しいハードルが設けられたとの声も聞こえてくる。

ではなぜ、副業を事業所得にするか、雑所得にするかでこだわるのか。それは税の優遇で大きな差があるからだ。

今後、雑所得の扱いになると、次の5点でデメリットになるとされる。

次ページ「雑所得」扱いで5つのデメリット
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事