景気敏感株は、高値では投資対象から外し、安値の時に買っていくというスタンスで投資に臨めば、大きな損失を出す確率は低減します。長く投資を続けていく上で、知っておいて損はありません。
初心者は新興銘柄からは距離を置くべし
連載3回目では、世界3大バブルと呼ばれている、チューリップ・バブル、南海泡沫事件、ミシシッピ計画の事例からは、どのようにしてバブルが醸成され、崩壊するのかを学びました。
その本質は、価格高騰が人気を呼び、その人気が更に価格高騰を引き起こし、人間の熱狂と欲望により、実態とかけ離れた値付けがなされることにありました。そして、その顛末は例外なく悲惨なものとなっています。
そのような状況に陥らないためには、自分が理解できるビジネスを展開している、実績のある企業へ投資することが重要です。間違っても、個人投資家の間で話題となっている新興銘柄へ全力投資するというようなことは、おこなってはなりません。
新興市場で自分の考えを試してみたいとしても、投資資金の一部を失っても構わないという覚悟で、少額でおこなうのが賢明でしょう。値動きが激しい銘柄への投資は上手くいっている時はおもしろいかもしれませんが、逆の展開となった時には悲惨そのものです。株式市場から退場させられないという観点からは、投資対象には値しません。
新興市場では私も大きな失敗をしています。2006年1月にライブドアショックが発生するまでは新興市場は活況を呈していました。私もブームに乗って、サミーネットワークスという新興銘柄へ144万円の集中投資をおこないました。投資した理由は無借金で利益を上げていること、投資雑誌の理論株価が300万円となっていたことから2倍くらいまで上がればいいなと考えたためです。
今、振り返れば、当時の理論株価は急激な利益成長が続くという前提で算出されており、その前提自体があり得ない設定でした。そのようなことも露知らず、うぶだった私は大きなリターンを期待して投資していました。このような投資が上手くいくはずもなく、ライブドアショックで新興市場が崩壊し、株価は10分の1以下になってしまいました。
このようなことは当時だから起こったのではなく、現在に至るまで繰り返し起こっています。直近では、2020年から2021年にかけてAI関連の新興銘柄が人気を博しました。その業績を大きく超えて高くなりすぎた株価は、いずれ下落するのが世の常です。人気が剥落したあとは悲惨な結果となっています。
株価が急騰して暴落するというチャートは、チューリップ・バブルの頃と何ら変わっていません。今後も同じようなことが繰り返されていくのでしょう。そのような相場からは距離を置いて、関わり合わないようにすることが肝要です。
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