日本を100人の島に例えて見えてくる経済の本質 言葉を使い役割分担する中でルールが必要になる

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そして、住民が取引をするためにお金が必要になります。住民同士が仲のよい家族のような関係だったらお金は不要ですが、人口が100人もいるとトラブルも発生しやすくなります。不平不満の高まりを抑え込むには、お金の存在が必須になるのです。お金の次に必要になるのが暮らすためのルールです。これは、いまの日本でいう法律と考えればわかりやすいでしょう。住民はリーダーを選びました(総理大臣みたいなもの)。

100人を束ねるにはリーダーの存在が必須です。リーダーが「あなたは成果が出ていないのでイモ1個」「あなたはよく働いたのでイモ10個」と決めたと仮定します。リーダーがすべてを正しく掌握し、絶対的な信頼がなければこのような運用は上手くいきません。

ルールが多すぎると運用が難しい

では、「100人の島を暮らしやすくするため」にはなにが必要になるのでしょうか。住民たちはまず基礎となる「国のルール(憲法)」と、「住民のルール(法律)」を制定しなければいけないでしょう。ここが整備されることで多くの問題が解決されることになります。

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数年後、100人の島にはルールがたくさん存在していました。多すぎて住民にも覚えきれません。ところがどんなに細分化しても完璧なルールは完成しません。さらに、時間が経つとルールを利用してお金儲けをする人が出現します。

100人の島には、イモ以外の食料がないと仮定します。「イモを生産する人たちは異常に価格を上げてはいけない」というルールがあったとします。そのルールを読んだAさんは、いいことを思いつきました。1日かけて、 この島にあるイモを、1個100円で買い占めるのです。そしてAさんは自分の店でイモ1個を1万円で売りだしました。

住民は「1個1万円は高すぎる」と怒り出します。しかし、Aさんは、なにもルール違反はしていません。生産者ではなく住民が転売しただけなので、ルールを破ったことにはならないのです。とはいえ、食べないと命の危険に関わるので、住民はやむを得ずイモ1個を1万円で購入することになりました。

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